第13話二日目終了

(ほれ、さっきみたいに上に投げるぞ?先程より良い対応を見せてくれよ?


2回目ゆえ、アウィリィの対応も強くなるぞ?


もしかしたらキャッチに失敗するやもしれぬな?)




またもやウィリィンは上に放り投げられる。


事前に告知があったのとルリィウィンの脅しに緊張し、脳が先程より早く稼働する。


自分が飛んでいくベクトルと同じ方向に風の魔法を発動し、下から浮き上がるような風を生み出して自身が落ちる速度の軽減、身体の回転を防ぐ。


それでも自身の身体を浮かすまでにはいかなかったので、水魔法を発動し続けることで水を空中に留め、その中に入り、浮かぶことに成功する。


が自身が水中に入った瞬間から急激に水の維持を行うことが難しくなり、消費される魔力の量も大きく増え、この状態で空中にいるのは難しいことが判明した。


なので、クッションを消し、泥の球をアウィリィ目掛けて投げつけていく。


今回は泥を滑りやすくし、落ちた後の地面にも影響が大きいように広範囲かつ細かく連射していく。


その後空中で一端水のクッションを出して、落下速度をリセットしつつ、ルリウィンにキャッチされる。




(風では自身の身体が減速できぬと判断して水に切り替えたのも、


魔力を発現し続けている限りは空中にとどまる性質もうまく利用できていて良かったぞ。


空中での妨害もかわしても地面に対して爪痕を残せるところまで考えられている。


この調子で柔軟に考えて行動していけ。


よし、いいものを見せてもらった今日はここまでにしようか)




(そうね、最後の行動はとても素晴らしかったわ。


ほめるべきポイントはもう全部ルリウィンに言われちゃったけど)




(あ、ありがとうございます。


でもこんなに早く、力強く動ける様を全然想像できなくて、魔法の威力も全然で・・・)




ウィリィン的には終始彼女らの動きに振り回されっぱなしであり、


このレベルに達することができるのかイメージが湧かずにいた。




(反省会は風呂に入りながらにしようか、肌に泥の感覚があるのでな)




(そうね、ささっと入りましょうか)




ウィリィンはルリウィンに抱えられながら屋敷へと戻り、大きな浴場へと連れてかれる。


服を脱がされ、魔法を使って体を洗い、湯舟へと浸かる。




(さて、反省会だが、現在の実力についてはそれほど悲観せんでも大丈夫だ。


闘鬼の成長力は凄まじい。赤ん坊の頃であればなおさらだ。


お主はきづいていないかもしれぬが、今日も後半になるにつれて少しペース上げておる。


それについていているということは戦いの間に適応しているということよ)




(そうね、それに私たちの子なんだから十分優秀なはずよ)




(??私たち?あのー、どちらも女性でルリウィンさ、さん?の方は母親だと思っていたのですが)




(おいおい、さんなんて他人行儀な呼び方は良くないぞルリウィンママと呼ぶがよい。


アウィリィのことはアウィリィママだ)




(呼び方はいいけど質問に答えなさいな。


ちなみに闘鬼もちゃんと雄と雌に分かれているわ、妊娠して出産したのは私の方)




(そして私がこいつを孕ませたというわけだ)




闘鬼も性別が分かれている話をされ、更に頭の中の?が増える




(??でもどちらも女性ですよね??)


(ふふふふふふ、私は「色欲」司る7罪当主だぞ?雄だけが性の対象なわけがあるまい?


万物を平伏させ、堕とすことができるからこそ、今の地位にいる。


ほれ、このように生やすことができるのだよ)




ウィリィンの目の前に禍々しい巨大な塔のようなものが現れ、そのあまりにも強大な気配に充てられたことでそれが自身の体内を蹂躙する様を幻視し、




(ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)




甲高い声を上げて気絶した。




(おっと、気絶したぞ)




(あんたのそれ、凶悪すぎるのよ、それに、はしたないからさっさとしまいなさい)




(ふふふ、お主が言うと説得力があるな?)




(ぶっ飛ばすわよ?)




(ふふふ、すまん、すまん)




ウィリィンは気絶したまま動けず、二人に身体を乾かされ、回収された。




夜。




(うぐぐ、苦しいな)




ウィリィンは身体が軋むように痛むのを感じて目を覚ます。




(ああ、魔力が多すぎるからか)




二度目の症状ということもあり、さほど慌てることなく癒しの炎を身に纏わせ、体内の魔力を消費していく。




(それにしてもファンタジー怖えわ、思い出すだけで震えが止まらん)




ルリィウィンに生えたアレを思い起こす。


がそれを払い除け、己のことに目を向ける




(そういや、腕輪を使って言語とかの勉強をしろって言ってたな)




腕輪に触れると画面が起動し、自動的に動画が流れ始めた。


コミカルなテイストで作画の動き方的に勧善懲悪を謳うような内容だ。




(いや、勧善懲悪...なのか?


悪役側だと思った陣営が勝つと悪役側が褒め称えられてるわヒーロー側は罵られてるわで、まさか弱肉強食ってこと?


ヒーロー側だと思ってた陣営も不意打ちしたり、罠に嵌めたりやりたい放題なんですけど。


そして戦闘描写が結構グロい、手足の断面とか、血の流れ方とかコミカルに加工されてるせいで変な感じにグロい)




幼稚向けにも関わらず、展開が激しく、カルチャーショック的な意味で考えさせられる内容


であった。


癒しの炎を維持しつつ、閲覧を続け、満足するまで見たところで、また、眠りにつくことにした。

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