閑話 剣高作者たちの対談

『お前、本当に大丈夫か?』

 11月の終わり頃、彼との今年二度目の通話は、その一言から始まった。

「大丈夫だ。隙間時間で書いてはいるし、俺はピンピンしてる。」

『や、それもそうなんだけどさ……お前の作品、剣高という原型があるように思えねえんだよ。これじゃあ剣高で使った展開をまんまぶちこむのは厳しいだろ? プロットとか、大丈夫なのか?』

「大問題だ。」

『おい。』

 これはボケでも何でもなく、状況は大問題そのものだった。いくら秋学期半ばで課題や試験が立て込んでいたり、学祭が入っていたとはいえ、このペースは非常にまずかった。俺自身、ここまで筆が進まなくなるとは思っていなかった。二年になったから一年の時より楽になるだろうとたかを括っていたことに、心底後悔している。

『はぁ、しょうがねえなぁ……中休みまでは我慢しろ。ここを越えられたら、手を貸してやる。』

「マジか!? それは助かるけどよ、お前、友達とどっか行ったりとか、帰省するだとかの予定は平気か?」

『正直お前と実際に会って話すのは厳しい。だけど、こうして通話するくらいなら、お前の執筆と一緒で、合間縫ってできる。だから、俺の心配はすんな。』

 彼がそう言ってくれていても、俺は心配だった。高校時代、彼は執筆に時間を割きすぎて体調を崩し、学校に来れなかったことがある。彼の助力は非常に大きいとわかっていても、また変に無茶をするんじゃないかと思うと、手伝ってもらうのは気が進まない。それに、これはお前の作品だと言って、彼は俺に全てを一任した。だから……

「中休みに手が空くのは俺も一緒だ。だから、本当にありがたいけど、今回は手は借りない。もしこれでダメだったら、冬休みは手を貸してくれ。」

 俺はそう答えた。

『……そっか。本当に大丈夫か?』

「ああ、何とかするさ。」

『……わかった。じゃあ、今回は支援を見送るよ。精一杯書けよ、相棒。』

「おう。」

 そして俺は、今日もまた、少しずつ、続きを書き足している。




 どうも、一般通過ゲームファンです。

 様々なことが立て込んでいて、新話を出せない日々が続いてしまいました。学業優先で筆を取っているとはいえ、全く音沙汰のない日々が続いてしまっていること、本当に申し訳ありません。あと数日ほどで学業面での諸事情は片付きますので、その時には、皆様に物語の続きをテンポよく読んでいただくことが可能になると思います。

 改めて、新話をお待たせしてしまっていること、本当に申し訳ございません。

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