第四頁:少し特殊な

「はっ、ここは異世界!?」


 目が覚めると自分はまず一番最初に知らない天井の蛍光灯が見えた、とりあえず異世界ではないらしい、俺の家でも無いのも確定したが。


 じっとしていると、とある違和感に気付いた、体が動かないのだ。


 その答えも直ぐにに分かった、俺は今拘束されて背中の機械に繋がれているのだ。


 どうしたものか、拘束具を破壊するだけなら簡単なのだが‥いや、拘束具を破壊する腕や脚が無い、義肢は一式取り外されているらしい。


 つまり今の俺はどうすることも出来ないということだ。


 考えあぐねているとどこかで聞き覚えのある声がスピーカー越しに聞こえてきた。


「目が覚めたみたいだね、ようこそβ地区技術開発局へ!あと拘束を解こうとしなかったこと褒めて上げますよ、そんなことしたら死にますからね。私からしたら貴重な資料が手に入るので構わないのだけど、キヒヒ…」


「待っていたまえ、直ぐにセットアップを完了させる。

これから指示を出す、その通りに体を動かそうとしてみたまえ。」


 その後、腕を前に出したまま五秒キープする。

右にまわれして、三歩歩く。

など様々な指示を受けた、当然腕も足もない上に拘束されているのだから指示を達成出来るわけないのだが、にしてもこの声、話し方どこかで聞いた気がするんだよな。


 思い出した!確か。

答え合わせをするように声の正体が姿を表した。


「久しぶりだね、強化施術の時以来か、あの時は興奮したなぁ、まさかサッガッ氏の弟子にメスを入れる事ができるとは、思い出しただけで昂ってきたよ!キヒヒ‥フッハッハッハ!」


 目の前にいるこの明らかに話かけちゃいけない人(?)は俺の強化施術を担当した。


①体が蝋で構成されており、所々垂れそうになっている。

②童話の魔女のとんがり帽子と白衣を身に付けている。

この特徴にぴったりあてはまっているのはやっぱりあの人だけだよな。


「ファウストさん!」


「ええそうだとも、私がβ地区技術開発局局長にして、《知恵の樹》への一般アクセス権限の持ち主である天才のファウスト様だ!」


 でも、何か俺の記憶と違うんだよな、うーん記憶と違う所はどこだ?この違和感の正体は?


ハッ!もしや!?


「ファウストさんシャンプー変えました?」


「残念!正解は寝る前にアロマ炊くようになったでした!」 


「あ~そっちだったか‥じゃなかった!確かファウストさんこんなハッキリ人の姿でしたっけ?

俺の記憶だとロボットに寄生してるみたいな姿じゃなかったですか。」


「中から機械を操作するのにウンザリしたから、自力で人の姿を保てないか練習したら、出来るようになったんだよ。」


「それよりも、君は私の事なんかよりももっと聞くべきものがあるんじゃないかな?」


 色々とあって本来気にするべきことを忘れていた、残りの制圧対象は?エコーはどうなった?俺を一撃で倒したあの球体はいったい?


「思い出したようだね、じゃ1から一つずつ説明しようか。」


 その後のファウストさんの説明をまとめるとこうだ、

まず俺は手術にかかった2日を合わせて3日間目を覚まさなかったこと。

制圧対象は俺が倒れたあと突入したエコーさんが制圧してエコーさんの身に何かあった訳ではないこと。

そしてあの球体は周囲の空気を振動させて付近の機械類‥とりわけ強化人間の神経を無力化する機械だと分かった。


 強化人間には義肢に変えるものから体をまるごと義体に変えるものまで様々なものがあるが、すべての強化人間に共通しているのは神経を機械にしていることだ。

施術をする前とは比べ物にならない速度で情報、指示が伝達されるので常人の何倍もの反応速度を持つ。


 そして、面倒なのはここからだ、どうやらあれはあの組織が作った物ではない、インベーダーで得た情報を解析したところあれは購入した物らしい、つまりあれを作ってばらまいてる組織があるという事だ。


「強化人間に3日間も寝込む程のダメージを与える兵器を作るなんて、この世界じゃ禁忌どころの事じゃないですよ。バレたら一発でランク…最悪デバイスを剥奪されることだってあり得ますよ。」


「その事なんだがね、普通の強化人間だと効果に差こそあれどせいぜい五秒動きを止められる程度が限界だ。」


「じゃあなんで私は3日間も寝込むハメに?」


「前に話しただろ?ちょっとした手違いで君は少し特殊な施術を受けた、それが今回の品物と相性が悪かっただけの話だ。」


「んな!?‥何だいつもの事か、この施術受けてからロクな事が起きないのですが、強いて言うなら月々の謝礼金で家計が賄えるくらい。」


「良いじゃない不労所得、それにその施術のお陰で君は3年という早さで2級調停局員になれた、違うかね?」


 やっぱりファウストさんは苦手だ、悪い人ではないけど無意識に人を事実でぶん殴ってくる。


「話を戻そうか、こんな物作って流せる組織なんてこの3年間の内にできたとは思えない、つまりずっと前から不干渉エリアブラックボックスで活動してた組織という線が高い、こいつは相当厄介な案件だよ。」

(もしかしたらアイツらの協力を仰ぐ事になりそうなのが特に‥)


今ファウストさんが何か呟いた気が


「でもファウストさんには《知恵の樹》にアクセスすれば一瞬で分かるんじゃないですか?」


「それは無理だ、《知恵の樹》は3年前から更新が止まっている理由については…言う必要もないだろう。」


「さっ、元気になって知りたいことも知れたなら、荷物運んでくるから受け取って早く帰んな、あと注文してた義足は明日取りに来な、何せ特注品だから時間がかかるんだよ。」


 その後、俺は義肢を取り付けて貰って渡された荷物を受け取って帰った全身がだるい



ーはいここから生牡蠣のターンー

やっぱりあれだね、惰性で書いた話パッとしないね。

あと、盛大に何か始まりそうな雰囲気ですがそれはまた後で。


いつも読んでくれてありがとナス!

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