青山さんは私の彼女です！

第6話 本当の関係

【一方】

「ね？私の読みの通りでしょ？あの二人、絶対ただの友だちじゃないって！」

「そうかしら？」

「絶対そうだって！仕事中もなーんか怪しい、怪しいと思ってたけど今日確信しちゃったなー。まぁ…実際青山さんはまだちょっと読めないとこあるけど、諸星さんは確実に青山さんに恋してる」

「普通に憧れなのかもしれないじゃない。同世代でメディアに出てる子が近くにいたら、羨望（せんぼう）の眼差しを向けるものじゃないかしら？」

「分かってないなー。そうゆう目とは違うでしょ！あの目は恋に落ちてる目でしょ！」

「あなたは何でもすぐそうやって面白がるんだから……」

「あと、メニュー見てる時の距離も近かったし！」

「ほんとよく見てるわね……」

「私は真実を追求したいだけだもん。ねぇ、何賭けます？」

「何も賭けないわよ。何考えてるの？」

「えー、つまんない」

「大切な従業員で賭け事なんかするわけないでしょ？しかもそんなプライベートなことで……失礼だと思わないの？」

「だって悪気ないもん。もし二人がそうゆう関係なら、私は全力で応援してあげたいなって思ってるし！」

「ふーん、応援って？」

「例えば、周りにバレそうになったりしたら、協力してごまかしてあげたりとか……あとダメ出しとか！」

「何それ？」

「だって特に諸星さん、バッレバレなんだもん。とにかく隣の青山さんのこと見すぎだし、好きな人のこと聞いた時なんてひどかったでしょ？あんなの、誰が聞いてももろ青山さんのことじゃないですか！もうちょっと気をつけないと！」

「……確かに、それは私もちょっと思ったけど……」

「でしょ？だから、それモロバレだよって教えてあげるんですよ」

「それじゃあ恥かかせちゃうじゃない」

「それは仕方ない。このまま放置して変に他の子たちの前でボロ出すより、優しい私たちの前でいっそバレちゃった方がいいでしょ？理解のない人の前でバレちゃったら、それこそ一生トラウマになりますよ。傷ついてバイト辞めちゃうかもだし」

「…………」

「でも実際のところ、気になるは気になるでしょ？二人の本当の関係」

「……ならなくはないけど……」

「しょーがないな、じゃあ私が悪者になって暴いてあげますよ！」

「いいわよ、そんなことしなくて」

「まぁまぁ、そんな大層なことはしないから！」

「それはそうと、一つ言いたいことがあるんたけど」

「……ん？」

「それ。私はあなたの上司だってこと忘れてない？言葉使いの乱れに気をつけなさい。何回言わせるの？」

「ついお酒入ると……」

「…………」

「はい！申し訳ございませんでした！マネージャー！」

「いつもその調子でね？」

「分かりましたよ！」

「分かってないから言ってるんでしょ？」

「それにしても長くないですか？トイレ」

「話そらしたわね？……けっこうこぼれてたから手間取ってるんでしょ？」

「いや……あれもなんか怪しかったですよね〜？あそこでタイミングよく飲みものこぼすかな〜？」

「何でもかんでも疑って忙しいわね」

「今頃トイレでチューとかしてたりして」

「下世話すぎ」

「若いし、お酒入ってるし、そろそろしたくなっちゃう頃じゃないですか？そもそもせっかくの二人の時間を私たちに邪魔されておあずけ状態だし」

「分かってるならどうしてお邪魔したのよ？」

「それは、困る二人が見たくて」

「……どうかしてるわね」

「あっほら！もうようやく二人が戻ってきましたよ！それじゃ、やりますか！」

「……あんまりいじめるんじゃないわよ？」

「分かった、分かった！」

「……分かったって言った？千堂ちゃん？」

「あっ、すみません！マネージャー！分かりましたー！」