第23話

 しばらく森を歩いていると、開けた場所に出る。

ルシウスが止まったので、俺も空のドラゴンを見ていた。

そうしたら…。


「よし!あおいよ、ここらで一回模擬戦をするぞ!」


なんかルシウスが変なことを言い出した。


まぁ、俺としても今の実力を試したかったので嬉しい提案なのだが、一つ問題点がある。


「場所はどうするんだ?ここでやるわけにもいかないだろ?」


そう言うとルシウスは自信満々に胸を張って言った。


「安心せい!妾の魔法で簡易的な闘技場を作るからの!」


そう言った途端、俺たちを中心として半径200ぐらいのドームが出来上がる。


なるほど。ここで戦えるのか。頭が良いな。


お互いに距離を取る。


「「スタート」」


 お互いの合図で俺とルシウスは動き出す。


ズンッッッッッッ

「ッッ!」


開始早々、ルシウスは俺の動きを鈍くさせる。


そして音速で近づき、俺に一閃を入れる…


が、俺はそれをギリギリのところで避け、自分にスキルを発動する。


解除リバース!」


このスキルは拘束など、あらゆる縛りを解除させることができる。

これで自分への鈍化は直せたのだが…


まずいな…、完全に押されている。


ここにきて俺とルシウスの圧倒的な技量の差が出る。


だが、狙いがないわけではない。

ルシウスが攻撃をするために詰めてきたこの一瞬!!


「炎陣!」


「チッ!なるほどな!」


俺は炎陽との戦いで得た技を使う。これは少しだけ掠った。

そう、この技は当たることが重要なのだ。

当たったところから時間をかけて波紋のように炎が広がる。


ルシウスが距離をとる。


「第二ラウンドだね。」


「そうじゃな。」


俺たちの第二ラウンドが幕を開けた。

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