第12話

 あおいが倒れた。

おそらくさっきの魔法を使ったことで予想よりも多い魔力を使ってしまったのであろう。

妾は彼が寝ているのを確認してから未だ消えていない反応の主が近づいてきていることに気づき声をかけた。


「やはり今回の一件、お主の仕業であったか。第一司祭。」


「おやおや、そんなに警戒されなくてもよろしいのですよ魔王様。」


そう茶化したようにいうのはこの世界の守護者と言われる大司教の七つの結晶七司祭のうちの1人、暴食の第一司祭だ。

何かと妾に文句をつけては絡んでくる忌々しいハエだ。


「何をしにきた。」


「そこの邪魔者を排除するためですよ、魔王様。其奴は危険極まりないです。どうか我らに其奴を引き渡してください。」


なるほど。

あおいの力を大司教は危険視したわけだな。

彼の魅力に気づかんとは愚かだな。


「無理じゃな。渡して欲しいのなら妾を倒してからにしてみろ。」


そう言ってやつと距離を取る。

あちらも戦闘準備に入っている。


「後悔しても知りませんぞ。」


さぁ。

久々の宴の始まりじゃ。

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