08_ハグと居眠り

//SE 少し乱れた呼吸音



「先輩ぃぃい……」


「足がしびれてきちゃいました」


「一旦、頭を起こしてもらってもいいですかぁ……?」



//SE 衣擦れの音

(膝枕から体勢を戻す)



「うぅ、すみません。次、膝枕するまでには鍛えておきます」


「……」


「……」


「……絶対に今、足は触らないでくださいね」



//SE 足をつつく音



「ひぃん」


「ぜ、絶対にやると思いました!」


「なんでそういうことするんですか!」



//SE 足をつつく音



「や、やめてください」



//SE 足をつつく音



「う~~~」//しびれを耐えている



//SE 足を崩す音



「ふぅ、ふぅ~」


「先輩ってたまにこういう意地悪しますよね……」


「触らないでって言ったのに」


「……」


「……」


「……妹ちゃんはずっと部屋にいるんでしょうか」


「物音はしなくなりましたが」



//SE 髪が衣服に当たる音

(彼女が自分の肩に頭をのせてくる)



「これからどうしましょうね……」


「本当に帰れなくなっちゃいました」


「このまま、ずっと押入れにいるのも悪くないかなぁ……なんて」


「だって、ここにいるととても癒されるんですもん」


「先輩はどうですか?」


「えへへ、先輩にもそう言っていただけると嬉しいです」


「分かってます。冗談ですよ」


「でも、に分かってもらえてとても嬉しいです」//彼氏の部分をやや強調


「……」


「……」


「……」


「すぅ」//深呼吸


「……私、とぎゅーしたいみたいです」


「えっ? さっきは触れるなって言った?」


「それはそれ、これはこれですから」


「ダメですか……?」



//SE 彼女を抱きしめる音



「あっ」



※しばらく浅めの呼吸音が続く



「……私、こうやって触れ合うの好きみたいです」


「先輩ともっともっと触れ合いたいです」



//SE 衣擦れの音

(彼女を強く抱きしめる)



「先輩好きです……」


「大好きです……」


「子供の頃からずっと好きでした」


「これからもずっと一緒にいたいです」


「海にも行きたいし、山登りにだって行きたい」


「遊園地や水族館だって一緒に行きたいです」


「映画にも行きたいし、お買い物だって行きたい」


「デートの帰りは美味しいものをお腹いっぱい食べたいです」


「でも、お出かけしてばかりだと疲れちゃうので部屋でまったりする日も沢山あって――」


「おじいちゃんになっても、おばあちゃんになってもずっと一緒にいたいです」


「たまにはこんな風に押入れで二人だけの空間を作るのも悪くないですよね……」


「先輩好き……」


「大好き……」



※段々、言葉が寝言みたいになっていく。



//SE 強く抱きしめられる音



「好き……好き……」


「好き……」


「す……き……」


「す……ぃ……」


「すぅ……」



※好きが次第に寝息に変わっていく



「すぅ……すぅ」//耳元で寝息がしばらく続く

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