シーン2 押入れ

06_手繋ぎといちゃいちゃ

場面は自宅


※声の音量は通常通り



「先輩こんにちは!」


「今日は妹ちゃんと遊びにました」


「それでは失礼します」//他人行儀な感じで



//SE 扉を閉める音

 


※しばらく隣の部屋の雑音が続く

(彼女と妹が遊んでいる)



//SE 階段を駆け下りる音

(妹が階段を下りていく)


//SE こちらに近づいてくる足音

   扉をノックする音



「先輩、いらっしゃいますか?」


「お部屋に入ってもいいですか?」


「はい、ありがとうございます」



//SE 扉を開く音



「さっきは素っ気ない態度取ってすみませんでした」


「だ、だってどんな顔をして先輩に会えばいいか分からなくて――」


「妹ちゃん? 妹ちゃんは部活の呼び出しがあって出かけちゃいました……」


「私は帰っていいって言われちゃったんですけど……」



//SE ベッドに座る音



「はぁ」


「先輩、暇なのでかまってください」


「もぉー、妹ちゃんって塾に部活で毎日毎日大変なんですから」


「……」


「あれれ? 先輩、疲れた顔してますよ?」


「今日は忙しかったんですか?」



(少し間を置く)



「そうなんですね、じゃあの私が先輩のことを癒してあげないとですね」//彼女の部分を強調する



//SE 玄関のカギが開く音

(妹が家に帰ってくる)


//SE 階段を駆け上る音



「あ、あれれ? 妹ちゃん戻ってきました!?」


「か、隠れないと! 先輩!」


「私がお兄さんの部屋にいるって知られたらまずいので!」



//SE 押入れを閉める音

(二人で急いで自室の押入れに隠れる)


※ここから女の子の声は全てひそひそ声



「も、もぉー、また忘れ物かなぁ……」


「妹ちゃんはうっかり屋さんなんだから……」



//SE 作業音

(隣の部屋で妹が何かをしている)


//SE 階段を駆け下りる音



「あ、嵐のように出ていきましたね……」


「ふぅ」



//SE 携帯の着信音



「わっ! わわっ! マナーモードにするの忘れてました!」


「妹ちゃんからメッセージが届いたみたいです」


「……今日のお詫びのメッセージがきました」


「はぁ、そういうところは本当に律儀なんだから」



//SE 衣擦れの音



「……それにしても押入れの中って落ち着くなあ」


「この前の漫画喫茶もですが、狭くて暗いところって癒されますよね」


「先輩も分かってくれますか?」


「えへへ、ありがとうございます」


「漫画喫茶とても楽しかったですね」


「また一緒に行きましょうね」


「うーん、今度はなに食べようかなぁ」


「あっ、また食べ物の話をしてしまいました……」


「……」


「先輩、この前みたいにもうちょっとくっついてもいいですか?」//耳元で囁く



//SE 衣擦れの音

(彼女が肩を寄せてくる)



「もう少しここに一緒にいませんか?」


「今出ていったら、妹ちゃんに見つかっちゃうかもしれないので……」


「それに押入れの中ならこうやって触れ合えるので」



//SE 手を握る音

(彼女が手を握ってくる)



「先輩の手、温かいです」


「えっ? 私の手が冷たい?」


「もー、知ってますか。手が冷たい人は心が温かいんですよ」



//SE 手を強く握る音



「ほら、もっと私を感じてくださいね」


「えへへ、そうですね。私って狭い所にいると素直に甘えられるみたいです」



//SE 衣擦れの音

(彼女が自分の肩に頭をのせてくる)



「暗いと顔が見えないから恥ずかしさが薄れちゃうのかなぁ」


「……」


「……」


「先輩」



//SE 衣擦れの音



「先輩も私に甘えていいですからね」


「ここなら年下に甘えても誰にも見つかりませんから」//耳元で囁く

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