第9話始まった運動会。

AクラスやBクラスにもなるとやはり、オーラを感じるのも事実で他のクラスとのやり取り見ても違いを感じさせられてしまう。


「無理だ。あんな強豪。強敵とやってもダメだー」


C組以下の生徒が投げていた。


「仕方ないさ。クラス毎に差がつく様にされてるんだから、勝ち目も無いさ!」


言った声も聞こえて来た。初めから諦めているかの様なこの空気に新葉は心苦しさを感じていた。運動会での会議や決め事、資金なども一方的に決められたと言う。不満はある物のそれを言えないと言った不満がある事は見て取れる。新葉はこんな調子で楽しい筈の運動会が出来るのだろうかと心配でならなかった。そんな中で始まった運動会だった。


「よーい。ドンッ」


運動会は徒競走から始まった。A組から、、H組八列で並んで走る。やはり、速いA組、B組は他とは違う速さだ。A組、C組、E組、G組チームとB組、D組、F組、H組チームが同じ対抗戦チームとなってはいるが、捨て馬の様な物だ。要はA組対B組の対戦の様になってしまっている。後はそれ以外のクラスが如何に足を引っ張る様な事だけはあってはならない。


ここではこんな運動会なのだ。とても、新葉が思う様な楽しくて熱くなれる運動会とは程遠いのだ。こんなに遠慮したやる気の無い様な運動会は嫌だと思うばかりだった。それでも新葉は懸命に応援した。


「頑張れ〜。頑張れ〜」


新葉は応援する。しかし、活気は無い。


「ハーフー。ハーフー」


一年生の女の子の徒競走。妹の音葉が走る順番。一斉に走り出す。


「タッタッタッタッ」


勢い良く走り出した音葉。A組。B組に続き、音葉が三番でゴール。


「タッタッタッタッ。ダッシュ」


今度はH組のホープ。帆南ちゃんの徒競走。勢い良く走り出した。


「タッタッタッタッ。トットッダーン。タンタン」


勢いのまま、帆南ちゃんの暴走。圧倒的にA組。B組を引き離し、圧巻の走り、勢いのまま走り切った。帆南ちゃんが一番を取った。皆んな信じられないと言った動揺が走った。


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