第7話応援団。
新葉は樹君の心の内を聞いた事が無かったのでこうして話して見ると意外な発見を見つける事が出来る。
「それはあれだ。僕と新葉君は同じと言うか似た者同士だからさ。決まってるだろう」
ニッコリ笑って樹君は言った。
『好きな子の言う事は逆らえないとかさ』
樹は心に思っている。
「えっ。僕と樹君とは似た者同士だって。無い無い。それは無いでしょ。だって、僕はそんなに目立つ人間じゃ無いって言うか? 君の様に積極的な人間じゃ無いんだよ。だから、違うよ」
新葉は言って、否定した。
「そうか。十分存在感が有ると思うよ。クラスリーダーの陽翔やクラスの纏め役の結愛達が君に注目して話し掛けて来るじゃ無いか?」
樹君は言った。
「それは君と一緒にいるから、僕は目立ってるだけ何だよ!」
新葉は更に否定する。
「君がそう言うなら、そう言う事にして置こう」
樹君は少し、苦笑いを浮かべて言った。新葉はそう言う事にして置こうと言った樹君の言葉に引っ掛かる者はあった者のそれ以上の否定はしなかった。そんな折、
「ガラガラガラガラガラガラッ」
教室のドアの開く音がして、担任の杉浦高弘先生が教室の中へと入って来た。
「もう授業が始まるぞ。席に着け!」
言いながら、杉浦先生は教壇に立つ。新葉達生徒は慌てて席に戻った。
「授業の前に話があるんだが、今年もこの時期に運動会が行われる。そこで応援団の仕事があるんだが…………………」
先生が話を進めて行こうとすると、
「先生。僕。応援団やります」
樹君が手を挙げて発言した。
「ちょっと待て樹。話は最後まで聞くもんだ。応援団の事だが、応援団は六年生が三人。五年生が二人。四年生二人でやる。だから、三年生の君達がやる事は無い。三年生は言わば、補欠みたいな物だ。三年生からは二人が出る。話合いの参加と応援歌の練習を上級生と共にするのが主な仕事だ。それで良い人は立候補してくれ!」
杉浦先生が生徒に説明した。
「はい。僕は改めて立候補します」
樹君は目を輝かせて言った。
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