第5話花菜恵ちゃんの主張。
香子ちゃんがD組の事を抽象してる。D組になった花菜恵ちゃんは言われるだけ言われるが、気持ちは硬い。
「もう、やめて。花菜恵ちゃん。ここには来ないで!D組に落ちるとかやだよ。お友達と帰って! 私のせいで花菜恵ちゃんが嫌な思いを少しでもしたら私嫌だよ」
愛美ちゃんは悲しそうに言った。
「愛美ちゃん。そんな事言わないで悲しいよ。私はD組になるより、E組になるより、愛美ちゃんに会えなくなる方が嫌だよ。だから、そんな寂しい事言わないで!」
花菜恵ちゃんは涙目で愛美ちゃんに抱き付く。愛美ちゃんも涙目で頭を何度も下げ、その反応に答えていた。それを見ていた僕は何とも言えない気持ちになった。
「酷いよ。花菜恵ちゃん。私と一緒に帰ろう。もう。ここには来ないで。この子もそう言ってくれたでしょ」
言って、香子ちゃんが花菜恵ちゃんを引っ張り引き離そうとする。
「やだ。やめて!」
言って、花菜恵ちゃんは嫌がった。新葉は三人の前へ出て行った。
「止めるんだ。嫌がってるじゃ無いか。どう見たって、二人を引き離せない筈でしょ。君は友達を選ぶより、クラスを選んだんでしょ。だとしたら二人を止められないだろう。君が一番したい事は何………………⁈⁇」
新葉はその子を引き離して言った。
「何よ。私が悪いんじゃ無いもん。こんなクラスを作った学校が悪いんだもん。それにあなた達がこの学校に来る前は普通の学校だったもん。あなた達がこの学校に来たから、この学校が変わっちゃったんじゃ無い。悪いのは貴方達の方よ。あなた達がこの学校に来なければこんな事にならなかった。あなた達が悪いんじゃ無い。ワァァァ〜」
言って、香子ちゃんが泣きながら、C組のある本館の方へ帰って行った。新葉は何とも言えない後味の悪い、苦い思いをした。それ以降、花菜恵ちゃんはG組へと毎日の様に遊びに来る様になった。これはこれで良かったのだが、香子ちゃんに関しては何の解決もされていないのだ。新葉は心に引っ掛かりながらも普通の日常を送っていた。
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