🦔(Porcupine)
「どうもー、ゲームセンターヤマアラシでーす! 必殺技は炎のコマ、特技は水魚のポーズです!」
「初めまして。フィクションの技としてのヤマアラシです。わたしの使い手は、三四郎ただ一人……!」
「こんにちは、ヘッジホッグです。なんか間違われて連れてこられました。青くもないし、速くもないです。なんかごめんなさい」
「おっす、オラ、羆嵐! 食べちゃうぞー、うがー!」
ステージに揃った、ケモノたちを見ながら、プロデューサーが溜息を吐いた。
「ねえ、ヤマちゃん、やっぱムリあるんじゃないの、これ。とゆーかヤマアラシなの最初の彼だけじゃん。しかも出っ歯だし」
「いやいや、ヤマアラシが実は仲睦まじく寄り添って外敵から身を守るイキモノだと伝えたいっていいだしたの、セリザワさんですからね……」
「ジレンマだな」
「ジレンマっすね」
「ほんとは僕、ハリネズミのほうが好きなんだよね」
「え、俺もですけど」
「可愛いよね、ハリネズミ」
「かわいいッすよね、ハリネズミ」
じゃあ、ということでステージに集まった面子は奈落の底に落とされた。
さようなら、ヤマアラシやヤマアラシに類したものやヤマアラシですらないものよ、……永遠に……!
というわけで、ハリーという名前でないハリネズミを募集いたします! 次世代のアイドルは、あなたのハリネズミかもしれない……!
追記:ヘッジホッグが落とされているのは、落とされてるのに何のツッコミもないのは、作者の素ボケです。青くないだけで青いのとよく似た体型だったのかもしれません。
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