無題(お題:イヤフォンじゃなくてヘッドフォンだったらしいw)


「そろそろね、おっさんも疲れて何も浮かばないですだよ」

「疲れてないおっさん、見たことなーい、キャハハ」

「そういうことではなくてね、こうなんか、不意に普通のお題が来てしまうと何を書いたらいいものやら」

「いつもみたいに『嫌フォン』じゃなくて『イイッ……フォン』とか駄洒落で書けば?」

「いまのとこもう一度いってくれる?」

「いまのとこってどこよ?」

「情感込めて」

「なんかイヤ」

「なんかイヤフォンか……」

「そういえばおっさん、昔『AKGアーカーゲーのアン』とかなんとか言ってなかった? あれで書いちゃえば」

「なんか長くなりそうだし、そんなの書く気力がないんじゃよ……」

「おっさん、夏バテ?」

「歳かな……。歳でなければさっき思いついた、『芳一』ってのをやってもよかったんだけど」

「なにそれー?」

「芳一というイヤフォンかけたサングラスの男が、すっごい残虐に怨霊を退治していく話」

「怨霊を? 残虐に? どっち主人公なの、それ」

「勿論、芳一だし、読み手も怨霊に同情すること間違いなし!」

「バカだといわれること間違いなしだね、おっさん……」

「まあ、そのイヤフォンには大音量で般若心経が流れてるんだけど、実は芳一はそのお経の力で動くエーテル駆動人工精霊なんだよ」

「ごめん、全然わかんない」

「本体はヘッドフォンに張り付いた、耳だけ。耳だけ芳一」

「ふーん、ところで冷蔵庫のチョコ食べていーい?」

「好きになさいよ、おっさんはまだ忙しいんだからね! アイビスサマーダッシュも外すしよう……しくしく」

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