大地へ
その後、ジュリアンの寝言を揶揄いながら街で敵方へと寝返ったデート中のエンリカなどに遭遇しつつもチンピラっぽく安い言いがかりで食いつくジュリアンをエンリカが選択肢ミスって不発させ傷ついた美しい(重要)男を介抱するというプレイを取り逃し消沈しながらもメシ食って帰った。
ユニオンの別艦隊(単艦なのに艦隊www)と幾つかの作戦をこなし、ミョーな形の専用リーゼの配機やエンリカに代わる新たなる巨乳美女との邂逅を果たし、いよいよ・・・なのか、地球・・・この虚構世界では大地と呼ばれる星へ降下作戦を行うことになった。
開始前のパイロットブリーフィング。
マシュー大尉が口を開いた。
「第三惑星への降下作戦を行う。先ずは・・・少佐、お願いいたします」
「うむ」
マチス少佐がスクリーンの前に立つ。
「ヴェーダの目標は大地のゲリラ共を掻き集め吸収し、我らダナンへの対戦能力を得ることだ。お前たちはこれを追いつ縋りつ、徹底的にハラスメントを行え。降下後はユニオンの各基地よりの援軍と合流し、南米基地へ向かえ」
座る。
マシュー大尉がスクリーンへレーザーを向ける。
「我々は突入前の敵リーゼを叩き、殲滅叶わぬときはV型装備を展開し大気へと突入、追跡を続行する。V型装備を破壊、喪失した際は突入は諦め帰艦せよ。圧縮大気ごときでリーゼの装甲はどうにもならぬが過信しそのままゼロ点を超えると・・・煮えるぞ」
圧縮大気?摩擦熱とかそういうの??
重力機関は・・・ああ、惑星重力との干渉でリミッターが掛かるのね。
地球・・・大地側に競落()しないように。
「作戦開始は二時間後。解散」
グダる。
マシュー大尉、ルフィと楽しそうにダベり合っていると、ジュリアンがこっそりとブリーフィングルームから出ていった。
あの巨乳ちゃんか。
・・・あれはあれで忙しい男なのよね。
作戦が開始され、新型専用機とやらで発艦する。
「あ・・・日本だ」
青と緑を分ける大地に細長く描かれている列島に目が惹きつけられる。
もちろん、この虚構世界には国としての日本は既に無い。
前前世のダンナは80年代のお約束設定、とのたまっていたが・・・
「フフ、郷愁なんて感じるとはね」
ブリーフィングてこんな兵いなかったろ!てくらいゾロゾロと発艦していくリーゼ達と混ざる。
『おいおいなんだこの数は・・・戦争かよ』
ん?ジュリアンの通信・・・あ、アライアンスはいってるのね。
『ダグザヌアザ含めてたった50機だぞ。・・・まぁ今の時代じゃあそんなもんか』
ルフィの声だ。
『・・・パイセンが残ったのは意外だったな』
ああ、マシュー大尉は帰投組なのよね。
『なにやらツテを手繰ってハマミの親衛隊をつくると言っていた』
『親衛・・・隊・・・ああ!』
『なんだ、またアレか』
『ああ、濃い連中が増えるなと』
『ふん、この戦いはどうなる』
『お前が死ぬ・・・V型装備のオートマチックは切って置けよ』
はあ?!?!
『そうか。いいハナシが聞けた』
よくないわよ!なにそ・・・いや、落ち着こう。
何の話をしているの?
二人の会話に集中する。
『俺とハマミが不安要素だけどな・・・チッ、会心の当たりを狙ったのになあ!ちっとはビビれよ』
『ん?・・・ああ・・・死ぬと分かってる戦いくらい楽なもんはないんだが・・・まぁ、このままわからんのが当然の時代になって欲しいぜ』
『最近ジジ臭いぞおまえ・・・』
『ライザや・・・昔の仲間に会うとなぁ、見つけた!いくぞ、遅れるなよ!』
めたくそに声を踊らせてルフィの機体らしきリーゼが青い炎と共に加速してゆく。
追いかけるように加速する機体はジュリアンなのか。
「・・・あ、駄目ね。位置情報だけはトレースしないと」
敵リーゼからの砲撃を躱し、反撃。
当たらない・・・トリガーが遅すぎると戦術コンが怒っている。
「ふふ、呑気なものね」
戦いは突入慣性の中で、混乱の濁流と化してあたしを飲み込んで行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます