ぱーちー

ピンクの髪をきゅっきゅと纏め、お仕着せのドレスを着せられ(着座不可)てハイエースみたいなトランポ()に立ち乗りで会場へと向かう8歳のあたし。


また宇宙規模の虚構世界だが、太陽系からは出てないし出られない。


空間の拡縮や跳躍は理論だけで未だ物理エンジンは実用化されておらず、人は惑星間を長い時間をかけ推進装置で渡っている。


そして私はハイエース(仮)車中に立ち乗りしてどっかの貴族の別荘に向かっている。


ええい、誰ぞ床几しょうぎをもてーい!


ほんと現地の便所で着替え(ライブ感)させろといいたい。


目的地に降ろされる。


順繰りにVIPカーから降りてくるフォーマルなドレスの男女を迎えていたホストも突然おんぼろハイエースからソロで出てきたコスプレ女に目を回すのでは?なんて考えてたが


「これは愛らしい!カン家のお嬢様ですな、目にする度に美しくなられる・・・はい、お預かりします(カード)。エスコートはこちらでよろしゅうございますか」


12歳くらいかな~。

用意された美少年が出てくる。

立て板に水で「いえ、あの、その、あの」なんて押され気味どもレディー状態でもハイソでセレブな入場が可能となってるのまぁ次第じゃね。


「どうぞ」


「よろしく」


なにげに家名を間違えてんのも如才ないというか。

前世のレトロイベントブース、前々世の内閣府迎賓館ぽいお貴族様の別荘・・・つか前大戦(負けた)の英雄つってたからお武家様か?


ちなワシゃ公爵令嬢じゃけのぅ~wお公家様(ちがう)じゃあよのほほほほwww


トランポ立ち乗りエスコート無しだけどな。


「・・・滑稽だな」


ん~、美少年だけに涼しげでよい声をしておる。


「わたくしの衣装が、ですの?」


「王冠でものせたらいい」


「ティアラは売られてしましましたのよ?お気に入りでしたのに」


黙する少年。会話がつづかねー!


「うらみごとなら聞きましてよ?」


見上げると少年の美しい顔がそれなりに険しく歪み、強い光を湛えた目があたしを向いた。


しかし、すぐに外らす。


「おまえに言ったって・・・しょうがない」


止まってた歩みが、再び進み始める。


ん~、ちんぽ掴んだりぱんつ見せたりするワケにゃいかんしどうしよう・・・


「・・・誰も見ていないところで、言われるのです。おまえが息子を殺した、って」


反応ねーな。さもありなん、て感じ?




「あなたも、大事な人をわたくしに殺されたのですね」


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