え、何言ってんのあたし。


「ピカピカ七色に光りやがって、このゲーミング伯爵がッ!醜いカラダを出来合の機械に交換してみせっこしながらオナ二ーしてんじゃねーよwwwそんなクズ共がワイン?地球産??」


違う!


泣いて、縋って、息子氏の救難をみっともなくもカタキへと乞い願うのよ・・・よし!!


「笑わせんじゃな(↓)い(↑)わよバァ~~~~~ッカ!!青一号でも焼酎で割って飲んでろこのフリークス共がッ!ギャハハハハ―――――フッヒ・・・・」


突然なんらかの手段に意識を刈り飛ばされながら、機械化奴の会話が耳を抜けていった。


「聞くに堪えませぬな」


「ああ、あまりの美しさにすっかりと狂猛な性質を失念しておったわ」


「我々に受け継がれているのは、美しいと思う感性のみですからな・・・目の当たりにすると、正しき継承であることを再認識します」


「いや、しかし驚きましたな・・・」



いや、あたしもびっくりなんだけど。


自分より息子氏より、ちっぽけなプライドのが優先されるとかさ~~~~・・・・・


こいうとき、ほんとジブンてくだらない生き物だと繰り返し思う。


などとのんきに自己否定しながら意識を失っていったんだけど、再び目覚めたときには自虐心に耽るどころではなかった。


「あばばばばばばばばばばぁアアア―――――!!!!」


全身が燃えるように痛い。

声は出るけど口がまわらないし、目も乾ききったように激痛(超ドライアイwww)でマブタもおりず視界もボケボケ・・・


体を起こすと針のような激痛が。

なんとかヒジを曲げ視線を落とすと、はっきりしない視界に真っ黒な手が映っている。


突然その手が緊急接近し、視界が揺れる。

平衡感覚が一時おかしくなったが、寒さと激痛で体が硬直してたので持ち直した。


見てた手のひらに目玉が落ちたらしい。


えー!どーすんのコレ?!


そのまま硬直してたら、なんかあったかいのが目に落ちてわずかに見えてるモノの輪郭が戻り始める。


ヨダレか?うへえええ・・・


唾液て消化酵素とか入って無かったっけか・・・と不安になりながらも舌を出して自分のおめめをぺろぺろする。


視界にマユもハナも映らんし、顔も剥がれてんのか・・・いやだなあ。


舐めるたびにズキズキギャンギャン痛い目玉だったけど回復を期待して眼窩に戻し収めてみる。


平衡感覚を意識して切り離し?ながら目玉をくるくるズキズキ動かしてるとそのうち上下左右が正しく収まったのか部屋の様子がわかる程度に視界が戻ってきた。


いや~~~見える、てのはすごいね!光さんありがとう!!


薄暗い部屋の真ん中にある血まみれの手術台に放置されているらしい。


つーか調理台かコレ。


左の水場で洗って剥いた食材を下ごしらえするとこかな?


されてないんですけど~~~www



全身の痛みに意識が遠のきかける。


が、また痛みで覚醒する。


なんだコレ・・・死ねないのか?寒いから?公爵令嬢だから??

サスガ公爵令嬢、なんともないゼッ!


前世のオカルトで北海道だと電車に飛び込んでバラバラになっても氷点下だから傷口や破断面が凍り付き三時間くらい生きてるとかあったっけ。



なんかどっかから男の話し声がながれてくる・・・んだけど方向が掴めぬ。


耳朶も取られてんのか・・・デビルイヤー!と念じながら手を耳のようにかざす。


あけ放たれた両開きのむこう、通路の奥からだな・・・よし。


脚を下ろそうとして、足も剥き身(笑)なのに気づく。


指も先がなかったりで当然足の裏も無いであろう・・・機械化奴の根城にしては床めっさ奇麗だな。


都合よく調理台の脇にボロがよけてあるので、指の短くなった手(剥き身)を駆使し、なんとなくぼんやりしてきた激痛に耐えながら足に巻き付け、のそのそと足を床に降ろす。


針の山を踏んづけたような鋭い痛みの後、灼熱感。


うあー巻き付けたヤツ意味ねえええええ!!!!!つか、むしろ痛汚いのでは?


唇のない(たぶん)口から「エエエエ・・・・」とか「ヒィイイイイ・・・」なんて苦悶を漏らしつつ、通路へと入り、焼き鉄板の上を歩くような苦痛に耐えながら(別に耐えてんワケじゃねーよ死にてーんだよマジで)暗い廊下の奥、明かりの漏れるドアまで到達し、疲労にヒザをついた。


ちょっとだけ中の様子を伺ったら、疲れが回復したタイミングで「ウギョアアアアア!!!」と叫びながら飛び込んでやる!(無意味感)


覗き込んでみると、隙間から流れ出てくる暖かい風に視界が曇ったので、目を取り出しペロペロしてから戻し、再度覗き込んだ。




そこでは、大仰に壁に飾られたあたしの剥製を前に談笑する機械化奴達の姿があった。




@@@@@@@@@@@@@@@@@


主人公が青(色)一号を差別的に扱っている表現がありますが、一応設定上では自然由来の石油製品である為最高級の嗜好品に分類されます。


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