Day3 添い寝……は、ちょっと恥ずかしいです
「……あ、こんばんはおにーさん……な、なんかちょっと恥ずかしいかも。おにーさんにパジャマの姿見られるの」
「……え、えっと、今日は珍しく、時間と……服装まで指定したので来ましたけど、もうこんな時間帯ですよおにーさん。普通なら、もうそろそろ睡眠の時間です」
「……ま、まさか今からガッツリ寝るんですか!?まさかの添い寝ですか!?」
「む、無理無理無理!いや、決して無理では無いんですけど、私の心臓の方が耐えられないです!エ゛なんでそんな満面の笑み───お、おにーさん!」
「ひうっ、手を握られて絶対に逃げられないような状況になってしまいました……あわわ、こんなの想定してないよ……っ!」
「え、どんなことを想定してたのかって……?えっと、まぁ、普通に子守唄とか……あと読み聞かせ……?」
「キャッ!お、おにーさん!きゅ、急に抱き上げないでください!うぅ……これ、絶対に逃がしてくれないやつだ……」
「……分かりました。分かりました!添い寝……は、ちょっと恥ずかしいですけど……おにーさんを癒すと言ったのは私ですから……が、頑張ります」
「……そ、それで?今日はどういうふうにしますか?……はい。手ですね。今日もぎゅっとします」
「……なんか、こうしていると懐かしいですね。ちっちゃいころ、こうしておにーさんと横になったことを思い出します」
「あの頃は、こうして胸がドキドキすることもなく、純粋な気持ちで午後はずっと寝ていた時とかありましたね。……え、今はどんな気持ちかって?………分かってるくせに」
「ふわ……なんだか、最初はドキドキしててそれどころじゃなかったですけど、こうして横になると、おにーさんの温度が心地よくて眠たくなってきました」
「うみゅ……そろそろ寝ますね……はい。おやすみなさい、おにーさん…………」
「………すぅ…………………すぅ………にへ」
(暫く寝息。段々と音がフェードアウトしていく)
(チュンチュン、と小鳥が鳴く音が入り、ゆさゆさと体が揺さぶられる。声がフェードイン)
「………ーさん。おにーさん。起きてくださいおにーさん……あ、起きました?おはようございます。おにーさん」
「……え?『いつから起きていたのか』ですか?えっとですね……大体20分前くらいかと。はい。ずっとおにーさんの寝顔を見てました」
「………あのですねおにーさん。『何故先に朝ごはんを食べなかったのか』の理由は、コレですよコレ。おにーさんが私の手をがっちりと握ってるから、起きようにも起きれなかったんです。だから、こうしておにーさんの顔を見てました」
「起きたなら、朝ごはん。食べに行きましょう?今日は折角の休みなんですから、少し勉強をお休みして、お出かけしましょう。おにーさん」
「────はい。デート、です」
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