Day4 デート、しよ?
(ピンポーン、と家のチャイムがなる音。しばらくすると、ドタドタと足跡が聞こえ、玄関のドアが開いた)
「はい、時間通りですね、おにーさん。関心です……いつも、少し遅れますからね。その度に何回私が呆れたことか……」
「はい。それでは問題ですおにーさん。今日の私を見て、何か言うことはありませんか?………はい。満点です。褒めて下さりありがとうございます」
「それじゃあ、おにーさん。デート、しよ?」
(視点移動のため、少しばかり沈黙)
「じゃじゃーん!ここが今日の目的地ですよ、おにーさん。え?『ここはどこか?』ですか?ふっふーん。入ってからのお楽しみ、ですよ。きっとびっくりしますから」
「何せ、私でさえネットで見つけた時はビックリしましたから。意外と近くにこんな施設あるんだ!と」
「受付してくるので、おにーさんはここで待っててください」
(受付のため、少し離れる)
「すみません……はい。予約してました……はい……はい……ありがとうございます!」
(とたとた、とこちらに駆け寄る音)
「部屋確認取れたよ。いこっ、おにーさん………え、『そろそろここがどこだか教えて欲しい?』うーん……別に、もう教えてもいいんだけど……ほら、匂いで何となくだけど分からない?」
「……温泉?うん。半分正解!正確には────」
(ガラガラガラ、と扉が開く音)
「────個室の『足湯』ですよおにーさん。ビックリしました?……はい。私も思いました。意外とあるものなんですね」
「ささっ、おにーさん。どうぞ入っちゃってください。今日はちょこっと足湯で、身も心もポカポカになって癒されてください……はい?私ですか?私も後でちゃんと入りますよ。でも、まずはおにーさんを癒すことからです」
「肩たたき、してあげますねおにーさん。受験勉強が始まって、かなりの時間机と向かい合ってるはずですから、きっと肩こりとか酷いと思うので、少しでもほぐしてあげます」
「は~い。それじゃあお客さん、ほぐして行きましょうねぇ~────え、かたっ。ナニコレ」
「…………ちょ、ちょーいちょいちょい。え、おにーさんなにこれ。硬すぎない?」
「え?『分かるもんなのか?』ですか?そりゃ分かりますよ。私、おじいちゃんとおばあちゃんの肩マッサージ、結構するんですよ?それと比べたら、おにーさんの肩、めちゃくちゃ硬いです」
「……ちょーっと本気出します……ぬんっ……ふぬぬ……くっ…………ふんぬっ………!」
「ど、どーですか……!おにーさん……!私の肩揉み……っ!聞くでしょう……!ふふふ……おじいちゃん達と同じで気持ちよさそうな声出してますね……!効いてる証拠です……!」
「ふぅ……肘でもグリグリしますね。ちょっとこれ、本当に硬いので……マッサージのしがいがある肩です」
「私の本気をかけて、おにーさんの肩をほぐします!むんっ!」
「ふひ~~~疲れましたぁ~~。疲れた体に足湯が効きますねぇ~~~」
「……はい。効果があったようで何よりです。あぁ!そんな肩振り回さなくて大丈夫です。アピールは大丈夫ですから!」
「………それにしても、はい、足湯ってあんまりやったことないですけど、気持ちいいですね。少しハマりそうです」
「ほら、見てくださいよおにーさん。床、これって足つぼマッサージになってるんですよ。少し立ってみて下さいよ。おにーさんのかっこいい所、見たいなぁ~~」
「………ぷっ、あはは!おにーさん!腰!腰引いてますよ!あはははは!ひっ、ひぃ~~お腹いたぁ~~い!」
「ぶっ倒れるまでお勉強するから、そんなことになっちゃうんですよ~~!確かに、おにーさんが行こうとしてるところはすっごく頭いいところですけど、何事にも限度というものがあるんですよ~~!あはははは!」
「ふくく……っ、え?なんですか?そういう私ですか…… ?あの、期待してるところ残念ですけど、私これ全然効きませんよ?本当です。ほら」
「こんなふうに、余裕で歩けますから。足をぷるぷるさせてるおにーさんとは格が違いますよ格が」
(チャプ、チャプと水が動く音)
「……いやいや、全然我慢なんてしてませんから。ほら、ジャーンプ」
「………あの、なんで謎の敗北感味わってるんです?」
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癒された!この年下幼馴染可愛いな……と思った方は是非星評価や応援の方を宜しくお願いします!
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