第79話 蒼月邸での鍛錬 -19-
2つの石をしばらく眺めて唸っていた
それを受けて
「・・・えっ!?これ・・・・おいらの妖力だ。」
何が起きているのか分からなくて、ただただポカンと
「ちょっと・・・待ってて。」
私はというと、何が何だかわからないまま手のひらの
(そういえば、この石の効果ってなんだろう?)
(こっちの
見ていた
そんなことをしていたら、
「小鞠さん・・・?」
小鞠さんが好奇心に満ちた顔で入ってきたのを見て、ますます何が起きているのか分からない。
「いや、琴音殿が何やら面白いものを持っていると聞いてな・・・どれ・・・」
小鞠さんは、ちょっと見せてもらうぞ、と言って畳の上の
それから少しの間、私の部屋には沈黙だけが流れ、
しばらくして小鞠さんがゆっくりと目を開けて言った。
「確かに普通の
そうして今度は首を傾げながら
「琴音殿。この
「はい。」
「その時、
「・・・いいえ?」
その時の状況を思い出してみたけれど、石について何かを言われた記憶はない。なんなら石の名前すら知ったのは番所に戻ってからだったし。
「そうか・・・琴音殿、この
そう言って小鞠さんは私に石を渡すと、印を結んで何かを唱えた。
「用心のため、我らは結界の中に入らせてもらう。この部屋にも防御を施したから、何をしてもらっても構わん。」
そんな物騒なことを言う小鞠さんに「ほれ、集中するのじゃ。」と促され、左手に石を握り、目を閉じて、石に意識を集中させてみる。
石に意識を集中させてみるなんて生まれて初めての経験だけど、やってみると、不思議なことに頭の中にぼんやりと映像が浮かんできた。
「何か・・・映像のようなものが浮かんできました。」
「では、何が見えているかを見えるままに教えてくれ。」
「はい・・・」
映像が徐々にクリアになり、キャビネットのようなものが見えてきた。そのキャビネットにはたくさんの引き出しがあり、一つだけが光っているのが見える。
「たくさんの引き出しがある棚のようなもので、その中に一つだけ光っているものがあります。それは・・・」
キャビネットのラベルに意識を向けると、そこには「
「え・・・
すると、ラベルを読み上げた瞬間、左手に熱を感じ、身体がわずかに揺れるのを感じた。そして、その瞬間・・・
「うわっ!!!」
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