第25話

2学期に入って間もなく、高校生活最後の学校祭が催された。学校祭初日の冒頭は、全校生徒が体育館に集まって、開会式が行われるのだが、僕は生徒会主任の先生からの推挙でその式典の司会を僕が務めることに。夏休みに行われた中学生の体験入学に続いて2度目である。

式典も滞りなく終わり、初日の文化祭が行われた。実行委員会Tシャツを着ていた僕は、クラスのメンバーが模擬店で焼きそば販売しているところでは、有志メンバーが考えてくれたクラスTシャツに着替えて、楽しさを共有した。汗水垂らしながらも焼きそばを作る者、接客と呼びかけをする者、サンドウィッチマンとなって宣伝活動に回る者、クラスのみんなが、笑顔で楽しんでいることが、何より僕は嬉しかった。

1日開けた後は、体育祭が行われた。クラス対抗の大繩に参加したり、これまた生徒会主任の先生からの推挙で、障害物リレーのデモンストレーションを担当することに。ぐるぐるバッドでフラフラしたり、粉飴で顔が真っ白になったりと、まさにバラエティに富んだ内容で、その様子を見ているクラスメイトたちの笑い声が聞えたことで、身体を張って笑いを取った甲斐があったと思った。


楽しい時間というのは、あっという間に過ぎていき、学校祭も無事に終了。それから間もなく、就職試験に臨んだ友人たちが採用報告をしてくれたり、AO入試で大学に合格が決まった友人もいた。だがその一方で、就職試験に落ちた友人もいた。簡単に進路なんて決まるものではないという、厳しい現実を思い知らされていた。僕も、未だ脚本家としての道が切り開ける様子もなくお先真っ暗状態。

クラス内では、進路が決まった者と決まらない者で、明らかに空気間の差が出ていた。周囲の友人たちが、それぞれの進路が決まったり決まらなかったりする様子を目の当たりにしたことで、僕も進路に対する焦りが出始めていたのは、間違いのないことだった。

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