第24話

制作事務所への脚本売り込みは不採用、脚本コンクールも1次審査は通ったものの2次で落とされるという、夏と季節とは反比例して、僕の脚本家に向けての準備は冬の季節が続いていた。その中でも、時間だけは過ぎていく。落ち込んでいる暇はなく、むしろITパスポートや情報処理検定といった検定に向けての試験勉強が、僕の中で辛いことを忘れられる、夢中できるものとなっていた。そんな状態がしばらく続いていたことで、担任や副担任の先生に心配をおかけしてしまっていると思っていた。

生徒会として学校祭の準備も進んでおり、僕も足げなく生徒会室に通っては、事務作業を始め、学校祭に関する雑務を、他の生徒会役員や担当の先生たち共に行う日々。昨年、散々嫌な思いをしたPR委員会の委員長の話も僕は、即刻断り、生徒会を優先する道を選んだ。


同じ頃、クラスメイトの有志たちは、学校祭に向けての準備で動いていた。クラスの男子たちは、自由奔放で自分勝手な者もそれなりにいて、まとめるのが本当に一苦労だった。よくこのクラスで、これといった悪い影響も受けず、自分は生活を送っていたなと改めて我ながら感心する。

毎年学校祭の初日である文化祭では、3年生が模擬店をすることが恒例だった。3年2組も、何か飲食を販売するということで、有志メンバーが中心となって企画を進めてくれていた。また、クラスTシャツを作ろうという計画も進めてくれていた。ある日、僕はそんな準備をしている場面に遭遇し、男子学級代表でありながらも生徒会に付きっきりで、文化祭企画の準備に何も携われていなかったことを申し訳なく思った。男子学級代表として、そして生徒会役員として、やっぱり自分も文化祭準備にちゃんと携わりたいと思い、有志メンバーと合流。泣いても笑っても、これが高校生活最後の学校祭となるのだ。何よりも楽しむ気持ちを忘れないようにと、僕は心に決めたのだった。

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