第22話

早いもので、生徒会選挙から一ヶ月が経ち、挨拶運動や近隣のゴミ拾いなど、生徒会の活動や活発的に動いていきながら、自分が晴れて生徒会役員になったのだということを実感していた。一方、生徒会以外では、相変わらずの日々が続いていた。ほぼ変わらないクラスメイトとの生活が始まって、早2年と1ヶ月。3年生は、クラス替えもなく、事実上2年生と全く同じメンバーで始まっていた。1年以上、一緒の時間を共にするとお互いの性格やキャラがよく見えてくるもので、毎日のように時間割を聞いてきたり、授業用ノートの貸し出しというのも、今や当たり前の光景になっていた。

同じ教室内という環境で過ごすと、様々なドラマが待っているものだ。例えばクラスメイト同士で交際に発展した者もいたときは、度肝を抜かれほどだ。しかも、普段から僕ともよく顔を合わせていた二人だっただけに、人伝から交際の話を聞かされた時は、唖然としてしまった。


ちょうどこの頃、メッセージアプリの『LINE』が普及し始めた。スマートフォンの普及により、教室内でも6割近いメンバーが、機種変でスマホデビューをしたことで、LINEを使い始め、同時にフリック入力に慣れ始めていた。一方の僕は、後にガラケーとも言われるようになる携帯電話だったので、既読機能も通知もない状態でLINEを使っていた。そのため、普段家にいるときは、パソコンからログインをしてLINEを使っていた。出たての頃のLINEは、確かパソコンからでも既読機能がなかったと記憶している。

そもそも、iPhone、iPad、iPodの違いすらも知らなった僕は、機械音痴のシニアのような感覚で、友人から借りたiPhoneでアプリゲームやフリック入力を体験したほどで、情報処理検定などITの勉強をしているのが、まるで嘘のようだった。それでも、使い慣れた携帯電話が好きだった僕は、スマホに機種変をしようとは全く思っていなかった。

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