第14話
夏休み後半から9月半ばまでは、僕にとって怒涛の1ヶ月であった。お盆明けから学校祭の準備は本格的に動き出し、PR委員会としての準備だけでなく、文化祭や体育祭でも準備することがたくさんあり、『夏休み』という言葉など、あってないようなものだった。
何日も何ヶ月も時間をかけて準備してきた学校祭は、文化祭に始まり、通常日課の1日を挟んで体育祭というスケジュールの中で行われた。そして前期最大のイベントでもある学校祭が終わると、後期に向けての準備始まる。
クラスでは後期の役員決めが行われ、女子学級代表にはYが立候補してすぐ決まったが、男子学級代表がなかなか決まらない。推薦は人に押し付けることになるからと、基本リーダー決めは立候補しか認められなかった。「どうする?」「誰がやる?」と周囲の席に座る友人たちと相談した結果、僕は迷った末に、「やります!」と挙手をして、学級代表に立候補した。当然他に立候補者もいないため、2年2組後期男子学級代表は僕と決まった。
これと前後し、学校祭の準備をしている中で、僕は生徒会役員になりたいという目標が出始めていた。中学時代、生徒会長に立候補した友人の推薦演説をしたことはあったが、自ら生徒会役員になることなど考えにも及ばなかった。が、生徒会役員のメンバーたちと、学校行事を作り上げる現場を目の当たりにした僕は、生徒会選挙に立候補することを決め、中学からの友人でもあるクラスメイトに、推薦演説をお願いした。
選挙管理委員会に書類を提出して受理されると、僕は『生徒会書記立候補者』となった。選挙演説の際に何を話そうか、僕は自身の部屋で、原稿用紙に向かって考える。が、タイミングや間というのは、僕にとってはいつも悪いもので、そこへKから電話がかかってきた。いつも通りに出ると、僕はKから、4組にクラスが変わったJが学校を辞めたという思いがけない報告を聞かされた。
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