第7話

高校生活の3年間は、常に検定勉強に追われていたと思う。1年生の段階から、情報処理検定の合格に向けて、同級生たちと検定勉強をすることが日常の光景であった。子どもの頃から文章を書いたり、小説を読むことが好きだった自分は、ゴリゴリの文系。情報処理検定には数学問題もそれなりにあったので、理数系が苦手な僕にとっては、そこが難点であった。

検定勉強を共にする部員のIやM、Hは、進学クラスだったため、過去問に出てくる計算問題などお手の物だった。逆に僕は正反対で、筆記は苦手でも実技のほうには自信があった。中学時代に『情報科学部』というコンピュータ系の部活の部長を務めた経験もあってか、パソコン操作やWord、Excelといったソフトはある程度使いこなせていた。MやHは技術が苦手だったため僕が教えることがあり、逆に筆記問題については僕が教わることもあった。


筆記試験は計算問題以外に、用語の説明で正しいものを四択から選ぶ選択問題もあった。これもまた、難しい横文字がたくさんあり、参考書を読んで用語を理解しなければ到底正解できるものではなかった。だが、この検定勉強の時間を苦と思ったことなかった。クラスの違うIたちと過ごす部活での時間も楽しかったし、協力して助け合いながら検定勉強をして、合格ができたなら、これほど嬉しいことはないだろう。

検定が近くなると、土曜日の午前も部活となる。意外と土曜の午前は、学校に人は集まっているようで、クラスメイトたちは、当時学年主任が教科担任をしていた英語テストの追試を受けに来ていた。本当に土曜日かと思うほど、駐輪場には自転車が何台も止められている。僕の自転車が止まっていたことに気が付いたクラスメイトが、コンピュータ室に顔を出してくれた。何事かと思ったら、入学して間もなく友達になったJが、自身のブログで来年はクラスを変える旨を書いていたことを、僕に教えに来たのだった。

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