第6話

学校生活における時の流れというのは、あっという間に過ぎていくもので、初々しく高校の門をくぐってから半年の歳月が流れていた。学級代表代理の役回りは、当事者の復帰で2学期早々にお役御免になったが、この頃は無断バイトが発覚して謹慎になる生徒が学年全体で後を絶たなかった。

それから間もなく、誰が密告したのか分からないが、KとJの無断バイトが生徒指導部に知れ渡ることになってしまった。一体誰が……と思い、密告者を恨んだ。クラスでの友達は増えたものの、謹慎処分となりKとJが不在となった教室は、やはり寂しいものがあった。謹慎ということは、与えられた課題が終わるまでは登校ができない。学校が大好き!とまでは言わないが、やはり学校に行きたくても行けないことは辛いことだろう。

僕は、心配になってKに電話をかけた。が、案外本人はあっけらかんとした様子で、ゆっくりサボれると言って呑気な様子だった。こういう時にもブレないのが、ある意味ではKの良いところでもあるのだけれど。


うちの学校の生徒指導部は、当事者以外にも親交のある生徒にも事情聴取をするという徹底ぶり。思えば僕も、親交のある友人が謹慎処分になるたびに事情聴取をされた。何度も生徒指導部に呼ばれたことから、「今度はあいつが何かやったのか」という何とも心外な空気になったこともあるが、後にも先にも僕が直接生徒指導の対象になったことはない。

謹慎となったKやJのことが気がかりではあったが、検定は待ってくれない。情報処理検定合格に向けて、部員たちと共に勉強に勤しむ日々が続く。Kが部室にいないことで、僕は必然的に無断バイトによる謹慎の件を同級生部員のIたちに伝えざるをえなかった。

厳しい規則の中で送る学校生活では、窮屈なものになってしまう。その中で楽しみを見つけようと考えたが、よくよく考えればこうして検定勉強をみんなでやることも、楽しみの一つだと気づいた。

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