第47話 白頭鷲王と側近は誤解を解く

バリアを高速で解除したせいで爆音が発生したらしい。そうスライディング土下座をしながら突入してきたユーリが言った。


さらに一緒に私を隠れ蓑にしながら愛し合っていた男の人、宰相のハースト侯爵もやってきた。


「ルーナ姫殿下、私とユリウス陛下にはやましい関係はありません」


「隠さなくても良いですよ、ユーリが貴方を押し倒してケダモノのように襲う姿は見ていましたから」


「ルーナ、アレは違うんだ、俺様は……」


「はい、ルーナ姫殿下。ユリウス陛下は確かにケダモノです」


ハースト侯爵は鉄仮面のような無表情で言い放った。やはり、ユーリにこの人はナニかされようとしていたらしい。そう理解した私はユーリから顔を背けた。


「男性が好きなら教えてくれたらよかったのに、ユーリ、私は貴方を白頭鷲の雛姿の頃から大切なこと家族だと思ってました。だから素直に話してくれたらもっと別の方法もあったのに、どうして、私の心を弄び、さらには監禁して隠そうとしたの??」


あまりのことに悲しくて泣きそうになるのを堪えた。そんな私をなぜかユーリは抱きしめた。


びっくりしたのと怒りから振り払おうとしたが、ユーリは傷ついたような顔をしている。


(傷ついたのは私なのになんでそんな顔をしているの?)


そんな中ずっと無表情のハースト侯爵が私をじっと見ている。


「ルーナ姫殿下、ユリウス陛下はケダモノです。だから悪いことをしたら顔を近づけて目を逸らさず威嚇しながら話をしないといけません。ルーナ姫殿下が見たのはそうやって威嚇していた際に体制を崩してくんずほぐれつしたように見えた場面です。つまり、私とユリウス陛下には肉体関係はないです。大体私には愛する妻がおりますので、ユリウス陛下への関心は眼球にしかありません」


淡々と話す姿には嘘はないように思えた。


「そうだ、俺様はルーナしか好きじゃない!!ハースト侯爵はむしろ顔近づけて狂った目をしてくるから仕事以外では関わりたくないくらいなんだ」


私を抱きしめながらそう話すユーリにも嘘はなさそうだった。


「誤解だったのですね……誤解なら、私をなぜ監禁したのですか??」


そもそも、ユーリが監禁したことで私は困っていた。私が邪魔だからでないならなぜ監禁されたのだろう。


すると、ユーリはバツが悪そうにしながや囁くように言った。


「ルーナが俺様から離れてしまいそうで怖くて……そんなことしてはダメだったのにすまない」

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みにくいアヒル姫は白鷲王にさらわれて溺愛監禁ライフを送ることになりました 雛あひる @hiyokomen

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