(16)6月27日 木曜日
着信アラート音。画面上の『応答』表示をスワイプする。
***
「おはようございます。6月27日木曜日、午前7時くらいをお知らせします」
「
「あのですね、分かってますか? 来週からテストなんですよ? なんとなく聞いてみたら、テスト範囲をまったく押さえてなくて驚きました。最低限、そのあたりは頑張ってくださいよ」
「────。『金曜日に確かめるつもりだった』、ですか。いや、そのタイミングを逃したらどうするつもりなんですか。土日に詰め込みで勉強する気でしょうけど、テスト範囲も分からずになにを詰め込むおつもりですか。アバウトすぎます」
「あなたのそのアバウトな生き様のせいで、『見ていてなんとなく不安になる出席番号8番を見守る会』の事案になってしまったじゃないですか」
「というわけで今日の放課後、勉強会です。わたしたちの意思とは無関係に、わたしたちの参加は決定事項になってしまいました。人が集まりそうなので、二人きりじゃないのが救いですけど」
「まあ──でも、うん、まあ、でも。悪くはないかもしれないですね、勉強会。数学とか苦手ですし、得意な子に教えてもらえるなら」
「
「では切りますね。学校でお会いしましょう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます