第6話〜確かな自分を〜

陽向side


「陽向ちゃんさぁ、昨日の放課後1人じゃなかった?」

陽向「え?」

「うわぁー、ドタキャンってやつ?さいてー」

陽向「ちょっ…」

なんでそーなるの?いや、でもまぁ…そう思われても仕方ないのかな?


その時、走り去る人影が見えた

陽向「ぁ、」

緒里さん…やばい、聞かれてた、?

追いかけないと…でもまずは、誤解を解かないとね…でもなんて?元々約束してなかったなんて言ったら…

陽向「ッ……」

別にいいじゃんか、コイツらなんか

うん、どうでもいい、けど、もしこれで昨日一緒にいたメンバーに石が投げられたら?それは完全に私の責任だ

考えすぎかもしれないけど…

断る理由に使ったんだ。何かある可能性もある。「断る理由に使われた可哀想な奴ら」って思われるのはいいけど、「それを承諾した最低な奴ら」なんて思われでもしたら…


後悔してももう遅い


なら


今どうするかだよね


嘘には嘘で塗り潰そう

我ながら最低かもしれないけどw

今はこれが最善策


陽向「あー、一旦家帰ってから合流しよってなってたんだよねw」

「えっ?何で?そんな家近いの?」

陽向「いや、そーゆー訳じゃないんだけどさ?私さ、昨日財布忘れちゃって」

「えー、お金なら次の日返せばいいじゃん」

陽向「それも確かにそうなんだけど、やっぱ、なんか、悪いじゃん?w昨日はそこまで帰り遅くなかったし1回帰ろう!ってなってw」

「あーね?w」

「陽向ちゃん優しいねぇw私なら絶対そのまま遊び行ってたわwお金借りてw」

陽向「えーwまぁそゆときもあるよねーw」

よし、何とか誤解は解けた、のか?w

まぁいいや、丸く納まったなら何でもいい

次は…

陽向「んじゃ私そろそろ行くわ」

「え?もう?早くない?」

陽向「うん、じゃあね」

「また後でね〜」

急がないと


確かこっちの方に走ってった気がするんだよな〜

緒里「だから何ですか?私の事何も知らないクセに」

茜「えっ…」

ぁ、いた…けど、え?なんか、めっさ雰囲気悪い…私のせいかもだけど…てかなんであの2人が??


緒里「…別に何もしてないのに嫉妬や妬みを向けられて、虐められて、周りは全然助けてくれなくて裏切られたって思った…助けてくれた子がいたけど、標的がその子に変わったら私は助けなくて裏切った」

黒江 茜「ッ……」

緒里「もう嫌なの!!あんな想いするのは!!虐められて裏切られて裏切って…だから私は私を殺すの!ありのままでいたらまたあんなことになるから!何事もなく過ごした、自分を殺した、私の努力の1年間を返して!!」


何それ…そんなの知らなかったし知りたいとも思わなかった…まぁ今回はそれが原因で悪い方向に行ったってこと?

陽向「ごめん」

緒里「ぇ?」

黒江 茜「…陽向ちゃん/さん」

陽向「そんな過去があったなんて、そんな想いをして生きていたなんて知らなかった。いや、違うな…別にそんなの興味無いし、知りたいなんて思ってなかった」

緒里「は、?」


何言ってんだって顔だねw

まぁそりゃそうか

今から話すのは私の本心

ちゃんと聞けよ、緒里


陽向「知らなかったから。なんてただの言い訳に過ぎないし、貴方にとってはどうでもいい事だと思う」

緒里「私にこんな過去がなくても貴方は勝手だったよ」

陽向「そうだね。あの子達が帰りを見ていてドタキャンだなんて言われるとは思ってもみなかったし、屋上での私は適当に断れれば良かった。自分のことしか考えてなかった。これは緒里さんじゃなくても傷つけたし困らせた。本当にごめん」

緒里「…」

陽向「別に許されようなんて思ってないから」

本当に許してもらおうなんて思ってない

広く浅くだからね、私が嫌になったり相手が私を嫌になったら直ぐに離れる

別にそれに関して何も思わないし

陽向「じゃ」

緒里「……」


あぁ、そうだ

もう1つ

陽向「無理に自分を殺す必要はない」

緒里「え?」



緒里side


陽向「『自分がそう決めました。これが私の意志で決めた道です。』と言えれば、そこがゴールだよ。だけど今の貴方はこれが言える?その道選んで、未来の自分が、『後悔は無かった』って胸を張って言えるような道?」

そう言う陽向さんは、自分にも言い聞かせているような、そんな表情をしていた

陽向「胸を張って生きて」

なんで?どうして?

どうしてそんなに悲しそうな顔をするの?

まるで、私に託すような、自分を諦めているような…


そのまま陽向さんは歩いて行ってしまった

私は何も言えないまま、立ち尽くしていた


茜「緒里ちゃん」

緒里「……」

茜「私ね、緒里ちゃんと話せて嬉しかったよ」

緒里「え??」

茜「今まであんまり話したこと無かったから、大人しい子かなって思ってたけど、明るくていい子なんだね!」

わたしは…ありのままでいいの…?

黒江「俺らは、緒里さんと、ありのままの緒里さんと、友達になりたい」

緒里「…わたしも、友達になりたい…ありのままの自分で生きたい…ポロポロ」

黒江 茜「ニコッ」



       次の日

緒里「おはよう」

黒江 茜「ぇっ…おはよう!ニコッ」

前髪を切って、コンタクトを付けて、髪を縛って、なんかスッキリしたな〜w

緒里「ぁ…」

仕方ないから許してあげるよ。結局は、ありのままの自分でいるきっかけになったからねw

緒里「おはよう、陽向ちゃん」

陽向「ッ!!…ぁ、おはよう緒里ちゃん。いいじゃん似合ってる ニコッ」

緒里「えっ、ありがとう!ニコッ」

ねぇ、陽向ちゃん、貴方の過去には何があったの?今度は、私に救わせてよ…


緒里「あ!そうだ!」

茜「ん?」

緒里「はい、これ」

茜「え?これって…」

黒江「…入部、届け、?」

緒里「うん、私も入れて貰えないかな。アオハル部!」

黒江 茜「もちろん!!」

これで私もアオハル部!の一員だねw

陽向ちゃんのことはまだ分からないけど…

これからは胸を張って生きるよ。後悔の無い道を、『これは私の決めた道です』って、ちゃんと、胸を張って言えるように



?「緒里、?」

緒里「え?」


私の、私たちの物語は、まだ終わらない


           〜𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹 〜

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