第5話〜自分を殺す〜
陽向side
陽向「ねぇそれ、本当に思ってる?」
緒里「ぇ…」
陽向「…なんであんなこと聞いたんだろ、別にどーでもいいのに」
てか、私も大概だろ
別にアイツらが嬉しそうにして、私は嬉しくなんか…思った、のかな?
陽向「はぁ〜…もうわっかんね、どうでもいいや」
多分これが行けないんだろうな…そんなの分かってるけど…
茜「あ!緒里ちゃーん!」
緒里「ぁ、どうも」
黒江「あれ、陽向さんは?」
緒里「ぇ、2人と一緒じゃないんですか?」
茜「いや、一緒じゃないけど…」
緒里「ぁ、えっと、すみません…」
陽向「チッ…だから謝んなって」
そりゃいるわけないじゃん、昼休み入ってすぐは中庭行くんだって、いつもはここでご飯食べてるけど…今日は約束しちゃったからねぇ
陽向「…行くか」
なんで猫被り始めたのかなんて、もう忘れた。でも、きっと、その時から、私は人前で、ありのままの自分でいられなくなったんだと思う
だから、私とは違って、無理に自分を殺してる君を見ていると…
陽向「((ボソッ…私はもう無理かもしれない、でも、君はまだ大丈夫」
緒里side
茜「あれ〜?先に来てるのかと思ったけど、陽向ちゃんいないね〜」
緒里「……」
黒江「先に食べてる?」
茜「んー、ちょっと待ってよ!」
陽向さん、教室にいなかったよね…
どこ行っちゃったんだろ
茜「おーい!緒里ちゃーん!何してるのー?」
緒里「えっ、あ!ごめんなさい!」
黒江「大丈夫だよーwこっちおいで?」
緒里「はい」
やばい、考え事してた…
陽向「なんだ、おっきい声出せんじゃん」
緒里「わぁ!?」
陽向「あははwwごめんごめんw驚かすつもりはなかったんだけどw」
うわ〜…びっくりした…
茜「あ!もー!陽向ちゃんどこ行ってたのー!?」
陽向「ごめんごめーんw行こ?」
緒里「あ、はい」
茜「よーし!みんな揃ったし食べよー!」
黒江「茜さっきからテンション高くない?w」
茜「えー!?だってみんなでご飯とか嬉しいじゃん!」
黒江「あー、はいはい、そーですねー」
茜「何その反応は!?」
陽向「いただきまーす」
茜「陽向ちゃん!?」
陽向「え?何?」
何ってwてか何この会話w
緒里「ふっ…w」
茜「あー!やっと笑ってくれたね!」
緒里「え?」
黒江「よかった〜、俺らとじゃ楽しくないのかと思っちゃったw」
緒里「ぇ、え?」
私が笑うだけでそんな喜ぶ?wなんか、楽しいかも…w
陽向「まぁまぁ、早く食べよー」
黒江「いや、陽向さんはさっきから食べてるでしょ」
陽向「…はにゃ?」
黒江「いやとぼけても無駄だから…」
私たちはその後普通に楽しくご飯を食べた。いつぶりだろう、こんなに楽しいのは
でも、事件は起きる…
「あー!いたいた!」
茜「え?」
他のクラスの子、かな、?うちのクラスにはいないよね…
「陽向ちゃーん!探したよー」
陽向さんのお友達?
でも…
陽向「……」
嬉しそうじゃないよね…本当に友達?
陽向「…なに〜?どーしたのー?ニコッ」
「今日の放課後遊べないかなーって!」
「みんなでカラオケ行こ〜!」
え、それ私たちが一緒にご飯食べてる時に聞く??めっちゃ気まずい…
陽向「あー…ごめんね〜今日は予定埋まってるんだわ〜」
「えー、そうなの?」
「何があるの?」
うわ…なんの予定か教えないと引かないタイプ?…めんどくさいね
陽向「んーとねぇ…」
あ、これ陽向さん嘘ついてる…絶対予定ないでしょ…
陽向「今日はねぇ、この子と遊ぶから!」
え、?
「え…この子?」
陽向「うん!ニコッ」
緒里「ちょっ…」
全身から、血の気が引くような感覚
あぁ、目立ってしまう、こんな陽キャな子達に目をつけられたら…
「へ、へぇ〜」
「そっか〜…わ、分かった!また今度ね!」
陽向「うん」
辺り一体を静寂が包む
それを破ったのは…
茜「えっと…」
黒江「だ、大丈夫、?」
ずっと話を聞いていた、2人だった
陽向「え、何が?」
茜「ぇ……」
黒江「何って……」
何も思わないんだ…この3人は信頼出来るかなって、そう、思ったけど…
やっぱり陽向さんは好きになれない
黒江「はぁ〜…緒里さんだよ」
陽向「あ〜…学校出るまででいいから一緒に行ってくれない?」
何、それ、よくそんな悪びれもなく言えるね
緒里「…嫌です」
陽向「えっ…でも、それじゃ私が困るんだよね〜」
ホント、自分のことしか考えてない…
緒里「私も困ります!勝手なこと言って!本当に迷惑です!やめてください!」
もう嫌だ、早くここから去りたい…
茜「あっ、緒里ちゃん!」
ごめんなさい…私には耐えられない
次の日
「陽向ちゃんさぁ、昨日の放課後1人じゃなかった?」
陽向「え?」
「うわぁー、ドタキャンってやつ?さいてー」
陽向「ちょっ…」
最悪だ…目立たないようにしてたのに…また、虐められる…
早くこの場から去りたくて、この時間にはまだ誰もいない、音楽室とかがある特別棟の階段まで走った
緒里「ハァ…ハァ…」
もう嫌だ、教室に行きたくない
?「緒里ちゃん!」
緒里「え?」
どうして、どうして貴方達がここに
緒里「どうして…」
黒江「どうしてって、緒里さんが…」
茜「…私達も、聞いてたから、」
緒里「…そう、ですか…」
何をしに来たの?辞めてよ、1人にしてよ…
茜「…陽向ちゃん、誤解、ちゃんと解いてくれてたよ」
緒里「ぇ、?」
黒江「一旦家帰ってから合流したんだって、そしたらあの子たちも、少し疑問に思ってはいたけど、陽向さんの持ち前の明るさで何とか収まってたよ」
緒里「……」
だから何?これで虐められないって確証は無い…誰も信じられないんだから
緒里「だから何ですか?私の事何も知らないクセに」
茜「えっ…」
もうどうでもいい、どうせ虐められるんだから、全て話してしまおう
緒里「…別に何もしてないのに嫉妬や妬みを向けられて、虐められて、周りは全然助けてくれなくて裏切られたって思った…助けてくれた子がいたけど、標的がその子に変わったら私は助けなくて裏切った」
黒江 茜「ッ……」
緒里「もう嫌なの!!あんな想いするのは!!虐められて裏切られて裏切って…だから私は私を殺すの!ありのままでいたらまたあんなことになるから!何事もなく過ごした、自分を殺した、私の努力の1年間を返して!!」
言ってしまった…でも、全て事実で、私の本心
自分を殺して、目立たないようにひっそりと生きてきた1年間はたったの数日で消え去った…
私が私を守るために培った1年間が…
?「ごめん」
緒里「ぇ?」
黒江 茜「…陽向ちゃん/さん」
陽向「そんな過去があったなんて、そんな想いをして生きていたなんて知らなかった。いや、違うな…別にそんなの興味無いし、知りたいなんて思ってなかった」
緒里「は、?」
なんなの?何が言いたいの?
〜𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹 〜
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