第27話 最後の戦い

 ダナン侯爵領内に入ったラドル達はセリアを引き付れてセレディア王国の王都へと進軍した。


 帝国が見えると連合軍は城の門を閉じて帝国軍が入るまで待機した。

 城壁にいた白狼騎士団と黒狼騎士団が帝国兵にファイアーボールやライトニングの破壊魔法を放った。

 

 白狼騎士団や黒狼騎士団と共に城壁にいたソフィアはメテオストライクの魔法を放つために意識をしばらく集中させて放った。


  空から火の玉が大地に向かって降り注ぎ爆風が帝国軍を襲った。


 メテオストライクの魔法は強力だったがそれでも帝国の軍は大多数残っていて進軍してきた。


 精神力を消耗した、ソフィアはもう一度メテオストライクを放ったが限界だった。


 二度目のメテオストライクを放つとソフィアはその場に倒れ込んだ。


 少ししてソフィアは再び立ち上げり城の外を見た、二度のメテオストライクでも帝国の兵士達は進軍をやめなかった。

 

(ディオンさん、皆)


 城門の前まで進軍して来た、そして破城槌で門を破ると城に進入してきた。

 

白光騎士団のハインツと金十字騎士団のルイスはリアとエイベルとディレートとフェリクスの近衛騎士団達に王宮まで下がるように言ったトリスタンも聖皇騎士団と共に残り敵を迎え打った三つの騎士団は勇猛に戦い次々と敵を斬り伏せていった。


 敵に囲まれたハインツは何とか敵全員を倒したがその場に倒れ込んだ、ルイスとトリスタンが近づいた。

 

 「、、、、、陛下を頼むぞ」


 そう言ってハインツは静かに目を閉じて動かなくなった。


 残っていたルイスはトリスタンにエイベルの元へと向かうように言うと敵の一軍に向かって行って死ぬまで戦った。


 (ハインツ卿、ルイス卿、すまぬ)


 トリスタンは聖皇騎士団と共に王宮まで下がった。


 場内に入った帝国軍は魔法を撃つ白狼騎士団と黒狼騎士団を討つべく城壁へとやって来た。


 城壁にいたソフィアを見つけた帝国兵は斬り掛かってきた、死を覚悟したソフィアは目を閉じた。

その時、空から現れた一匹のドラゴンがソフィアに襲いかかってきた帝国兵を噛み砕いた。


 「ソフィア!!」


 ソフィアがその声に目を開けるとドラゴンがいてその背中にはディオンが乗っていた。


 「ディオンさん!!」


 「乗れ!ソフィア」


 「はい!」


 そう言ってソフィアはディオンの乗るドラゴンの背中に自分も乗った。


 そして空から次々とドラゴン達が現れて帝国軍にブレスを穿いた、焼き尽くすブレスや凍りつくブレス、ドラゴン達は一方的に攻撃を加えた。それを見ていた、ラドルは愕然とした。


 「こんな馬鹿な!?」


 ドラゴン達の攻撃で形勢は瞬く間に変わっていった。


 バルアの背中に乗っていたアリシアはセリアを見つけると自分をセリアの近くで降ろすように言った。


 地上に降りたアリシアはセリアに戦いを挑んだ。


 アリシアとセリアは何度か剣を振りあうがお互いにその剣をかわした、セリアはアリシアに飛びかかり剣を振り下ろそうとした所をかわされて蹴りを受けて倒れた。


 倒れたセリアにアリシアはデーモンスレイヤーをセリアに向けて言った。



 「今回は私の勝ちね」


 ドラゴン達の攻撃に帝国兵は瓦解していった。


 フィレアとラドルを見たシエナはゾルデルから降りて二人に剣を向けた。

フィレアはシエナに斬り掛かってくるがそれをかわされてシエナの刃に倒れた。

 

 「キィアアアア!」


 ラドルは奇声を上げてシエナに斬り掛かっていくがシエナに剣を弾かれて魔剣で胸を突かれた。


 (私こそが皇帝、、、だ)


 ラドルはそう思いながら倒れて動かなくなった。


 セリアが捕縛されフィレアとラドルが戦死した帝国軍は戦場から後退して逃げ出した。


 敗走した帝国軍を見てゾルデルはシエナに追撃するか聞くとシエナはこのまま様子を見るようにドラゴンの王に言った。


 場内の帝国兵も白狼騎士団と黒狼騎士団の前に投降した。


 生き残った兵や騎士達から歓声が上がった。

 ソフィアは思った。


(私達やったんだね!)


 その日連合軍はアルムガルド帝国軍に完全に勝利した。

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