第14話 アルムガルド帝国の侵攻

 宴が終わった次の日、アリシア達とエイベルそして聖皇騎士団のトリスタン達は謁見の間にいた。


 エイベルはディレートにこの先何が起こったとしてもレイノルズ王国へは侵攻しないことを誓い、ディレートもまたこれからもラーナドゥール王国へと攻める事はないとエイベルに言った。


 ラーナドゥール王国へと戻るアリシア達にシエナとカタリナはレイノルズ王国に残る事をはなしてアリシア達に別れを告げた。


 「貴方達に会えて良かった、貴方達ならいつでも歓迎する」


 「いつでもここにきてアリシア」


 「お母様、姉さん、お父様お元気で」

 

 アリシアはシエナ達ににそう返した、エイベル達とラーナドゥール王国へと向かう道中ディレートはレイノルズ王国の白狼騎士団をエイベル達の護衛につかせた。


 船に乗りラーナドゥール王国の港町まで着くと白狼騎士団と別れて馬車に乗り王都まで辿り着く。


 謁見の間に入ったとき、臣下が血相を変えてエイベルの元に来た。


 「陛下!北のアルムガルド帝国がセレディア王国に侵攻しました!」


 エイベルは臣下の話を聞いて直ぐに軍議を開く事にした。


 ディオンは自身がセレディア王国の貴族だった事を話して自分も軍議に出れるか聞くとエイベルは許した、アリシア達も参加する事になった。


 セレディア王国に援軍を送るか否かを議論したが同盟国ではないセレディア王国に援軍を送らない事を多くの臣下達が進言した。


 レイノルズ王国へと度重なる侵攻をして兵力を消耗していたラーナドゥール王国に

援軍を送る余裕はないという意見だった。


 圧倒的な兵力を持つアルムガルド帝国に壊滅されるであろうセレディア王国にエイベルは援軍を送らずに王族達をラーナドゥール王国へと亡命させる用意があることを伝えるように言った。


 ディオンはその話を聞いてセレディア王国への伝令として行くことを考えて自身にその役目を任せてほしいことを伝えた。


 エイベルはそれを許可した、ディオンはアリシア達に言った。


 「俺はセレディアに戻らなければならない、ここで別れよう。」


 「私も行きます!」


 ソフィアはそう言った、アルナとナディアもついて行くことを決意した。


 魔物やグムハザを信仰する者達以外や国家間の争いに神殿騎士が赴くことは許されなかったがアリシアとルークもディオンに同行することにした。


 ディオンは仲間たちの同行に驚き感謝した、ルークとアリシアは王都の神殿に行き

神殿騎士の称号を返還する旨を伝えた、騎士として最大とも言える不名誉だったがアリシアとルークの思いは変わらなかった。


 「いいの?2人共、小さな頃から憧れて叶った道を捨てて。」


 ソフィアはルークとアリシアに申し訳無さそうに言う、ディオンも2人にすまないと伝えた。

 

 「シェイダル神を信仰する事はこれからも変わらないし私達は仲間でしょ」

 

 「あまりに固かったから丁度気楽な気分だな」


 アリシアとルークはそう言った、そしてアリシア達はセレディア王国へと馬車に乗って向かう事にした。

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