第13話 銀の民の祖
宴が開かれた夜にアリシア達はその席についていた、ルークは酒を飲みながらソフィアに言った。
「なあソフィアお前もディオンさんを誘って踊ったらどうだ?」
「無理!私、踊れないよ!」
赤面して答えたソフィアにルークは言った。
「何時かの宿屋でディオンさんに抱きついてなかったか?」
そうからかってソフィアに言うとそれはお酒を飲んだためと答えた、しかし仲間から見たらソフィアがディオンを慕っているのは明らかだった。
ナディアはアルナに自分もと踊りたいと言ってアルナを連れ出した、ルークが足りなくなったお酒を取りに少し席を外すとソフィアはバルコニーで夜風を浴びるディオンの元へと行った。
アリシアは気になっていたに銀の民の祖の事をシエナに聞いていた。
神話の時代、獣の身体に魂を封じられ大地を支配していた、邪神ゾディアと女神アイリスの祝福を受けて不死身となった英雄王ハーディスはアイリスから授かった剣を手に長い戦いの末ゾディアを討ち取った。
しかしゾディアに死の間際、呪われたハーディスとその親族、臣下や民達はやがて他の人々に仇なすようになっていった、そして太古の人々はハーディス達の事を魔族と呼ぶようになった。
呪われたハーディスの親族のなかで王子であるアレックスと王女であるアレクシアだけはアイリスの加護を受けて呪いをはねのけた。
人々に仇なすようになったハーディス達にアレックスとアレクシアはアイリスから授かった聖剣を手にハーディス達を封印していった。
そして最後となった魔族の1人の公爵をラーナ大陸の西の地に封印すると、聖剣をアイリスに返すためアイリスの降臨する聖地であるこのコーレリア島へと渡った。
聖剣を返した後コーレリア島の民達と共に生きたアレックスとアレクシアの子孫達は皆、呪いをはねのけたアレックスとアレクシアのように銀色の髪と赤い瞳を持つものになったと伝えられていた。
その話をしたシエナはアリシアに言った。
「これが私達に伝えられている伝承よ」
その話を聞いたアリシアは英雄の子孫てあるレイノルズ王国の民が魔族と言われて一方的に侵攻を受けた痛みを思った。
そしてシェイダル教団の神殿騎士としてかつてシェイダル教団に仕える者達が起こした過ちを罪と感じていた。
恐らくエイベルもその話を聞けばさらに罪の意識を覚える事だった。
そしてアリシアは思った2つの血を持つ自分がレイノルズ王国とラーナドゥール王国にできる事を、、、、。
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