第12話 レイノルズ王国
コーレリア島へと辿り着いたアリシア達は港町から馬車でレイノルズ王国の王都へと向かっていく、道中幾つかの街へ泊まり王都へと着いたアリシア達は歩いて王城へと向かった。
レイノルズの王国の王都は活気に満ちていた、その様子から髪の色と目の色以外はなんら大陸の民と違わない事をエイベルは再確認して、自分や祖先達がこの銀の民達の住む島を侵攻した事をさらに悔いていた。
トリスタンや聖皇騎士団の騎士達も最初は異質さを感じていたが認識を改め出していた。
王城まで歩いて門の前まで着くとフェリクスが門番に門を開けるように言った。
門が開き中へと招かれ、アリシア達は謁見の間までつくとフェリクスから少しの間待つように言われた。
少しのあいだ待つと2階からとフェリクスと共にレイノルズ国王ディレートが謁見の間へと降りてくる。
ディレートはカタリナを見つけると直ぐにカタリナの元へと近づいて抱きしめて言った。
「カタリナ!また会えるとは!」
「ごめんなさい、ディレート。」
カタリナは涙を流してディレートを抱きしめ返した。
「何も言うな、お前が戻って来てくれた事がなによりもの喜びだ。」
抱きしめ終えたディレートはアリシアの方を見て言った。
「あの娘はまさか?!」
「はい、名前はアリシア。貴方と私の子です。」
「そうか!シエナよ、二人を良く連れてきてくれたな。しかしラーナドゥール王国の王を連れて来るとはどうしたことか?」
そう言うとディレートは険しい表情でエイベル達を見て衛兵を呼んだ。
トリスタン達、聖皇騎士団の騎士は剣を手に掛けてエイベルを後ろにさがらせる、するとフェリクスやレイノルズ王国の近衛騎士達も剣に手をかけてディレートの前に出た。
「お待ち下さい!父上、エイベル王は母上の叔父でもあるのです。」
シエナがそう言うとカタリナもアリシアと自身がエイベルのお陰で静かに暮らせたこと、ディレートの元へと戻る事を促してくれたことを話した。
ディレートは黙って2人の話を聞いていた、そしてエイベルはトリスタン達の前に出て言った。
「レイノルズ王国の英雄王よ。私の名はエイベル、私達やその祖先が始めた争いを詫びにきた、この通りだ」
頭をさげたエイベルにディレートは言った。
「私やレイノルズ王国の民がラーナドゥール王国の者を許す事は簡単には出来ない、しかし貴方はカタリナの叔父であり我が娘の事で恩があるようだな、フェリクス!後ろにさがれ。」
ディレートの言葉にレイノルズ王国の近衛騎士達は後ろに下がった。ディレートは臣下を呼んで言った。
「エイベル王と騎士達を丁重に客室にご案内しろ」
臣下はその言葉に従ってエイベル達を案内する、エイベルはディレートに礼を言って案内に従った。
エイベル達が謁見の間を去るとディレートはアリシアに近づいて言った。
「我が娘よ抱きしめさせてくれ」
そしてディレートはアリシアを抱きしめた、アリシアは父の温もりを感じていた。
「今宵は宴だ!カタリナよ我と共に」
ディレートはそう言うとカタリナを連れて謁見の間を後にした。
謁見の間に残ったアリシア達をシエナが泊まれる客室へと案内した。
それぞれの部屋で宴まで休む事になった。
(あの人がお父さんか、。)
初めて感じた父の温もりを思い出してアリシアは心のなかでそうつぶやいた。
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