第3話

「月島静の声は、死者たちを呼び覚ます…」


静は、戦慄する。彼女は、「死者の声」を呼び寄せる媒介であり、彼女の優しい声が、悪夢を拡散させていたのだ。


最後の放送で、静は、リスナーに語りかけ、死者たちの無念を代弁しようと試みた。しかし、それは、彼女の望みとは裏腹に、より多くの「死者の声」を引き寄せる結果となってしまう。


静は、すべてを悟った。


(私の声は、彼らを苦しめている…)


最後の望みを託すように、静は、ラジオを通して、死者たちへの鎮魂歌を歌い上げる。それは、もう二度と誰の声も届かない、静寂の世界への祈りだった。


翌朝、静は目を覚ます。いつも通りの朝が来たように思えた。しかし、街の様子は一変していた。人々の姿はなく、車も走っていない。静まり返った街は、まるでゴーストタウンのようだった。

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