第4話
私は彼女が去っていくのを見守っていたが、
図書館から出る瞬間、彼女は振り返った。
まるで私に気づいたかのように。
振り返った彼女の顔は真っ黒で、
まるで黒い影がゆらゆらと揺れ、そこに立ち昇っているようだった。
白い目だけが、暗闇の中に浮いていた。
その目が、じろりと私を見つめる。
それから彼女は再び前を向き、ドアから出て行った。
また、図書館に静寂が戻る。
私は自分が息を呑んでいたことに気づいた。
恐怖が全身を駆け巡る。
私は急いで荷物をまとめ、逃げるように図書館を出た。
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