第6話

再び、突進してきた。

その速さに、

デイビッドは肝を冷やした。

間一髪、横に飛びのいて、

化け物の爪をかわす。

あと一瞬遅かったら、

彼の頭が吹き飛ばされていたところだ。


彼は後退し、体勢を立て直す。

だが、化け物は容赦なく

追撃してきた。

まるでゴムで引っ張られているような

敏捷性で動いてくる。

手足は、あり得ない角度に

ねじ曲がっていた。


デイビッドの手が、

冷たく硬い何かに触れた。

懐中電灯だった。

彼はスイッチを入れる。

光が闇を切り裂き、

化け物は、目をくらませたように

後ずさる。


希望の光は、

か弱いながらも再び強まった。

奴は、光に弱いらしい。

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