異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
第162話 タンッ!クルッ、バシュッ!はい、お終い♪ ★エドワード SIDE
第162話 タンッ!クルッ、バシュッ!はい、お終い♪ ★エドワード SIDE
52階で暴れているのは、ラドンという生態は竜に近いと言われている魔物だ。
魔法を使える冒険者は少ない為、ギルドに頼んで倒せる魔物では無い。その為、騎士団の中でも特殊部隊と言われる『魔剣士』の多いエリート部隊が出動して倒す事となっている。人が足りない時は、魔導師団の団長であるデューク殿や副団長のリュカに手伝いを頼む事で倒せる魔物だ。
まぁ今回は、恐らくベンジャミンが「俺を守れ!」などと言って統率を欠いた所為で怪我人が出たのだろう。アレはもう騎士として生きて行くのは無理だな。騎士にとって最低限必要な
私はソラ殿に、ダンジョンに到着したら少し騎士達の様子を見たいと頼み、隠密魔法で姿を消していたのだ。なのにリオ様と我が国に昔からいる『賢者』の爺さんは直ぐに私の方に視線を向けた。それも2人ともほぼ同時に、だ。私の魔力制御の腕前は、デューク殿にはたまに分かる程度で、リュカには分からないレベルだ。そうなると、デューク殿より魔力感知能力に優れていらっしゃる事になる。さすがは『大賢者様』だと感心した。実力も申し分なさそうだ。
正直、『大聖女様』が『大賢者』の称号まで持っていると聞いて疑っていたのだ。噂では、学園にも行かずに男タラシのアバズレ……ゴホン。まぁ、実際に会って話して見なければ、噂の真意どころか聡明であるかどうかなんて分からない。頭脳明晰なカミル殿下と、真面目で頑固な宰相が間違い無いと言うから信じざるを得なかったが、会うまではどちらの話しも信じ難かったのだ。
それが蓋を開けてみればどうだろうか。サイラスが平民と罵られた時にデューク殿を話しに出された。デューク殿は王族の血が流れていると知っていたのだろう。貴族であれば学んでいるであろう王家の血筋だからな。それを知れば、今までの発言が不敬になると分かるだろうと。結果は彼奴が阿保過ぎた。理解するどころか、カミル殿下にまで暴言を吐いていたからな。流石に王太子である殿下に対しても不敬が過ぎるから地下牢行きになったのだが。
それに平民の騎士に対しての態度も好ましかった。カミル殿下の婚約者であるのだから、噂の様に
『賢者』の爺さんも、敢えて自分は変わり者だと思わせている節がある。神の様に
そんな爺さんが後ろ盾となった『大聖女様』であるリオ様が、ただの女性で無い事は理解している。前に記録水晶でスタンピードの記録を見せて貰った時、7割はリオ様が放った魔法であると直ぐに分かった。私は魔法を使えない事になっているが、実はデューク殿に近いレベルで魔法が使える。因みに魔力の色は赤だ。恐らく、リオ様は私が魔法を使えると既にご存知だろうから、後で口止めしておかなければ。
まぁ、そんなこんなで魔法の実力
「リオ様、ラドンという魔物をご存知ですか?」
52階へ向かう途中、ラドンの説明をする事にした私は、出来るだけ丁寧に細かく詳細を伝える事にした。
「勉強不足で存じ上げませんの。ダンジョンに潜ったのも今日が初めてで……良かったら詳しく教えていただけますか?」
優しい声で教えて欲しいなどと言われては、しっかりお教えするしか無いだろう。リオ様も、人を動かす事が出来る側の人間なのだな。この私が強く、教えて差し上げなければ!と思ったからな。
「お任せください。ラドンは魔法を使える面倒な魔物で、手を上げ引っ掻く攻撃をして来る時には、己の腹に防御魔法を発動させております。羽ばたいてアイスアローを撃って来る時には、己の羽と足に防御魔法を発動させておりますので、そこへは攻撃が通じません」
「では、引っ掻き攻撃の時は、羽と足には攻撃が入るのですか?羽ばたいた時は、腹に攻撃が入る、と?」
ふむ、やはり賢いお方のようだな。説明が省けてありがたい。
「その通りです。あの大きさですので、羽ばたいた時の風圧も凄くて腹が空いていても近寄れないのですが」
「えっと、首は無防備なのですか?」
え?首?確かに首の話しはしていないから聞かれる可能性はあるか。人の5倍はある巨体だからな。ラドンの首を狙うと言う発想が無かっただけか。頭を狙っても、直ぐに羽ばたいて防御を固めた翼で頭を守るからな。勝手に狙うだけ無駄だと思い込んでいたのか。
「え?あ、はい。攻撃した人間がほぼ居ないので確実とは言えませんが、昔『風の中級攻撃魔法、風の刃』が外れてたまたまラドンの首に当てた者がいたのですが、その時はしっかりと攻撃は通っておりました」
「まぁ!さすがはエドね。そんな事まで覚えているなんて凄いわ!総長は賢くなきゃ出来ないのでしょうね」
褒められるとは思っておらず、対応が少し遅れた隙に、リオ様が身体強化を終えて猛ダッシュでラドンに突っ込んで行った。後ろを向いているラドンの背をタンッ!と蹴り、クルッと回転しながら軽々とラドンの頭上に舞い上がる。腰から剣を抜き、剣身が淡く緑色に光ったのを認めた瞬間だった。
『バシュッ!』
………………え?今剣を振るったのか?私には残像しか見えなかった。それもたった
「ふぅ、さてと。爺や、それでは治療に取り掛かりましょう」
「了解じゃー」
アッサリと……恩を着せるでもなく、お2人は何事も無かったかの様に、黙々と治療を始めたのだ。腕や足の無い者、腹を喰われて虫の息の者……リオ様と同年代の御令嬢であれば
近くでお守りする事は出来ないが、総長として手伝える事があるならば、その時は全力でサポートすると誓おう。何事も『適材適所』だ。私は得意な分野で次期国王と王妃を支えて行こうと心に決めたのだった。
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