第3話 ろくでもない女達

第3話


フウカside


「ちょ、やめっ───」


目の前で、私に挿し出しして腰を振っていた男が殺された。


私の大好きな人、徹に殺されたのだ。


ふふ、嬉しい………


ちゃんと、ちゃんと私の想定通りに動いてくれた♪


「許さない、俺は裏切ったお前を許さない!!」


うん、うんうん………


そう、それで良いの♡


「絶対にお前が幸せになるのを邪魔し続けてやるからな!!」


怒りに満ちた顔が、憎悪に満ちた視線が、私の全てを狂わせる。


そう、


「ありがとう、朱里さん………」


───コレで私達は


誰にも介入される事もなく、私達の世界に二人だけになるのだ。


「大好きだよ、徹♡」


☆☆☆☆☆


「う〜ん、何だかなぁ………」


私………綴蓋とじぶた フウカは、悩んでいた。


「もっと愛して欲しいなぁ………」


愛、愛が徹底的に足りない………


もっと、もっと愛が欲しいのに、今の徹からは絞り取れそうに無いのだ。


どうしたら良いんだろう?


「それを解決する為に私が居るんですよ?」

「うん、そうだったね!頼りにしてますよ、朱里さん!!」


この女の人は雨崎 朱里さん。


物凄く妖艶な雰囲気を醸し出す人で、困っていた私の相談に乗ってくれた人だ。


「ちなみに、どんな風に愛して欲しいんですか?」

「う〜ん、ずっと愛して欲しい。」

「恒久的な愛という感じですか?」

「そう、ソレ!」

「なら、激情的な感情を向けて貰う様に誘導しなければいけませんね………」

「あっ、それ良いかも!」


強い感情を向けて貰える=愛して貰えるって事だもんね♪


「でも、どうしよう………」

「目の前で他の男に股を開くとか良いかもしれませんよ。男の人、そういうの嫌いな方が多いですからね。」

「ナイスアイデア!まさか、嫌いなSEXにこんな使い道が有るとはね、驚きだよ!!」

「SEX嫌いなんです?」

「うん、気持ち良いけど嫌いなんだよね。だって、アレってどれだけ繕っても子作りでしょ?私、徹との子供なんか絶対に欲しくないもん。」


だって、子供ってさ………


「目茶苦茶邪魔じゃない?」

理解わかります、二人の純愛の間に挟まる異物ですよね………」


百合に挟まる男だっけ?


それと同じ位に邪悪だよね、アレ………


「それに、徹との間に子供が出来ちゃうのと比べて、他の奴との間に出来ても簡単に堕ろせるしさ。流石に邪魔者と言えど、徹との子供を堕ろすのは罪悪感が有ってさ………」

「もしくは、自分の奴隷にしては?結構役に立つかもしれませんよ?」

「あっ、それも良いかも!まぁ、その時考えるよ。」


よし、もっともっとこのまま作戦を練っていこう!


「じゃあ、こんなのはどう?」

「ああ、良いですね。なら、こういうのもどうですか?」

「良い、めっちゃ良いじゃん!」


姦しい作戦会議は続いていく。


それを近くで偶然聞いてしまった男は、後にこう語ったという………


───「女性不信になりそうだよ。女って、あんな怪物ばかりなのか?」と。

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浮気した彼女が幸せになる未来なんて、絶対に許さない クロスディアⅡ @crossdia

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