第22話 フランケンシュタインの失敗

 なんとか、どうにかこうにかおれがつくり出した2人のクローン女子が誕生した。


 ところが……。


 テクノほど優秀ってわけでもないおれの操作方法に問題があったのだろうか?



 誕生したクローン女子はクロエのように完全なヒトでは無く、またしても異形女子だった…………。


 更にまともなクローンが誕生するまで続けようという気にもなれず……。

 いたずらにこれ以上異形女子を増やしてもなぁ。

 もっとヤベえのが誕生する可能性だってあるし、何より人の道から外れた実験を繰り返すフランケンシュタイン博士みたいだし。

 クロエみたいなのは256分の1くらいの確率でしか誕生しないレアケースだったのではなかろうか。


 おれはすっかり、ガックシと肩を落とした。

 誕生した2人の異形女子。


 1人は、上半身はクロエと同じく美人女子だが、下半身が蛇だった。

 スルスルと這って移動する。

 髪まで蛇ではなかったものの、邪眼で石化するような思いだ。


 もう1人は、ヒョウとの混血のようなケモノ女子。

 顔と上半身、お腹にかけて以外はヒョウ柄のフサフサで猫科の耳と尻尾まである。


 おまけに、女豹めひょうという比喩もあるが、それとは逆行してるかのように、どう見ても小学生4、5年辺りの色気もそっけもないチビっ子だった。


 特には危険は無さそうだが、クロエですらそうであるように、クロエ以上に嫁にして子どもをつくったりなどはどんな子が誕生するのか判ったものではない、すこぶる危険な存在だと言えよう。


 生みたまひき子はヒルコ、この子は葦船にいれて、流し去てき。


 てな帰結へと至ってしまうじゃないか!



 ああ! 嫁に出来そうにもない嫁を更に増やすとか…………どうするんだ? おれよ……。


 クロエだけは完全にヒトであるからして、また男子間で奪い合いになる可能性もある上、ツバキのように皆にまわされ陵辱もされかねん。


 更に異形女子2人を加えたというお荷物を背負ってまで隠れて暮らさねばいけないとか、あまりに過酷。困難が立ちはだかり過ぎだろ!!

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