第20話 果報は寝て待てばヤバかった
その日の昼下がり。
おれはクロエを連れて更にクローンすべく、ガウリイルのある特殊医療研究室へと向かった。
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幸いある程度は、ガウリイルの操作方法はテクノから教えてもらっていた。なかなか難しいのだが。
日頃から怪我をした時などは自分でガウリイルを操作し治療していたのだった。
しかし、クローンをつくるなどのレベルとなるとなかなか困難を極めた。
なんとかこうだなと、あれこれと操作をしてみた。
シキとパンチロ、テクノの分を用意をせねばならなかった。
クロエが既に居るのだから、クローン体は2人で良い。
クロエの髪の毛を数本抜かせてもらい、そこからゲノムを解析し、クローン体をつくり出す。
人工羊水に満たされた円筒の水槽の中で。
2体のクローン体がクロエの髪の毛から、本当にに少しずつだが大きくなってゆく。
少しずつに見えるが実際にはものすごい速度の細胞分裂なのだろう。
果報は寝て待てという。
クローン体が出来上がるまで暫くかかりそうだった。
おれは特殊医療研究室のベッドの上でごろりと横になった。
「カスティゴ・デ・ロス・ブラソス式mark6のオペを開始ます」
……ん?
ガウリイルのAI音声だった。
何のことだろうか。
寝落ちしそうになっていたところ目を開けると、おれはなんとガウリイルに手術されようとしていた!
俺のチン毛がすっかり除毛されていて……!
ま、マジか! ヤバい! 小学生のチンコかよッ!
慌ててそのベッドから逃げ出していた。
カスティゴ・デ・ロス・ブラソス式? ……あ、ツバキがされた性転換手術だ。
おれは危うく性転換手術をされるところだった……。
側にいたクロエが「チッ」と舌打ちしたような気がしたが、なにせまだ誕生して間もない赤子同然の無垢な知能しかないのだ。
気のせいというものだろう。
「クロエ、機材を無闇にいじるなと言っておいたのに。大人しくしていろよ」
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