第15話 おれの嫁は……
おれの相手となるクローン女子を見ずして、もう皆はウンザリした様子で特殊医療研究室から出て行ってしまった。
おれ一人が残された状態で、持ち帰った肉片……もとい尻毛から再生されたクローン女子とご対面となった。
本当、もうやな予感しかなかったのだが。
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おれは、おれのパートナーとなるクローン女子と対面を果たすと、恐る恐る細部までボディチェックをした。
──隠さねばヤバい!
そう判断すると、
ほぼおれしか足を踏み入れてなかった場所へとクローン女子の手を引いて。
途中、大量の衣類が良好な状態で保存されていた部屋に素早く寄り、再び移動しながらマッパの女子に服を着せた。
ブラジャーを着けさせるのには思いのほか手間取った。
──皆に取られてしまう。
きっとまた皆で奪い合った挙句、バラバラ死体に……。そんな不安に駆られていた。
――どういうわけなのか、おれの相手だけがまともな女子だったのだ。
細部まで調べたが、ホモ・サピエンスであり同年代の日本人にしか見えない。
経験人数がたったひとりとかそんなおれは、決して下半身事情には詳しいとは言えないのだが、そこも間違いないと思う。直感的に。
デーモンの血をほとんど継がなかったらしい。
どこにも異形の特徴は見当たらなかった。
おれは運が良かった。
──いや、そうとも言えない…………。
ここは喜ぶべきであろうが、おれは正直複雑な思いだった。
クローン女子は言葉らしいものは発せず、赤子のように時折りあばあば言うくらいなものだった。
暗闇が怖いらしくギュっとおれの腕にしがみ付いていた。
確かに人格に記憶までは再生、引き継いでないらしい。
それならば、絶対その方が良い!
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