第6話 少女◯バキ
ツバキは日を追って女子らしさが増し、そこそこ可愛いらしい女子となっていた。
女性ホルモン打ちまくってる影響だろうな。
中二男子五人の中に、少女ツバキが一人。
やはりというか、案の定シキだけにとどまらずパンチロにもセクハラされまくり…………。
かくて…………。
ああ…………。
……誰の子か分からぬ子を身籠もり、見事に妊娠したのだった。
……やれやれ、ツバキも途方もない災難だ。
文明社会から解き放たれ、野生化してゆく中二たち、つくづくコッワー!
22世紀の科学力は、そこそこな性転換手術をも可能にしたと聞いていた。
そも男は性染色体がXYだが、それを女である性染色体XXにすら、チェンジ可能になっていたとか。
人間には約37兆個の細胞があり、その細胞一つ一つの中に細胞核、更にその中に染色体があると理科で習ったが、完全な性転換となると、それ全部XXにチェンジするとか? 気が遠くなりそうだ。
仕組みはよくわからん。
たしか21世紀の半ばを過ぎた辺りでもうメスを入れて切開をするという手術じたいなくなったんだったな。
男と女ではそもそもからだの構造じたい違うのだからとうぜん脳の構造もちがうはずだろう。
女ってのはやたらめったら共感力が高かったり、色々鋭いよな。その辺も男とは異なるわけだが果たしてそこまで男が女にチェンジ可能だったのかは知らんけど。
もっともツバキは、メスを入れた手術だったし男である性染色体XYのままなんだろう。脳の構造なんかもそのままで。
そんな中途半端とも言える状態が22世紀では人気だったようだ。
一応は女子とはなったツバキが珍しくおれに何か用があるのか寄ってきた。
「タマキって、みんなのボウジャクブジンさに一言言ってくれたり優しいよね。チュッチュしてもいっかな」
そう言って顔を近付けてきた。
いや、遠慮しておこう。
チューくらいは経験あるしな……。
元・男。現・中途半端女子なんかと関係したいとかそんな特殊な趣味はない。いたってノーマルだし。
おれは世界がこんな風になる以前に、実はそんなんではない真っ当な女子との経験があったのだった。
チューだけじゃない。
オッパイもんだり尻も触った。
おパンツだって頭に被った。そして童貞も既に…………。
とは言え、おれも恋愛経験があるわけではなかった。
真っ当な女子と行為を致したというだけで……。真っ当……なのだろうか……。
いや、忘れよう……墓に持っていってしまおう……。
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