⚠️ちょっとごめんなさい! ここから先書き直すかと思います。24.8.10

第5話 ロスト・ウィンナー

 特殊医療研究室の医療マシン、ガウリイルによる性転換手術により、ツバキの身体は女子へと変えられてしまった。


「そんなぁ! こんなのって酷過ぎるっ! ぼくのオチンチン返せっ!」

 手術を終えてから間もないツバキは、ベッドに拘束されたまま泣き叫んでいた。


我輩わがはいたちの居たかつての22世紀で流行していたカスティゴ・デ・ロス・ブラソス式という性転換手術です。手術の方法自体はいたって古き良き時代の21世紀方式ですが、それに出産可能な機能を追加したものとなってます」


「お、お前ら、ちょ、それはやり過ぎだろ。ひ、引くわ……」

 思わず、おれは言葉が出てしまった。


 するとパンチロがモヒカンを揺らせながらおれの方を向いて言った。

「ほう、せやったらタマキ、お前も性転換してみるか? よう見たらお前もわりとイケそうな顔しとるしな。タマキんきん取ったろか」


「ひっ、ご、ごごごめんなさい! 遠慮しておきますぅ」

 と言うや、ささっとその場から退場するとか。

 ああ、我ながら情けないおれよ。


 教室の四倍ほどの広さはあるだろうか。ここだけは電力が通っており、明るく白い部屋だ。

 その部屋から出て行こうとすると、出口にはおれを待ってたかのようにシキが壁にもたれて立っていた。


 ――ヤバい、おれも皆で寄ってたかって力で無理矢理、性転換手術を…………。

 イヤな汗がしたたる。


「どうだ、タマキ? キサマも兄弟にならんか? 強要はせぬがな」


 はて? キョウダイ? なんのことか?

 おれはその部屋から事なきを得て出ることができ、拍子抜けした。

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