第2話 アフター世紀
おれたちにいったい何があったのか――。
ズバリ言うと、本当にアーマゲドン到来!
世界は黙示録の時代に突入。
ラッパの音のような地響きとともに世界各地に、四騎士にアバドン、バビロンの大淫婦などが出現。
冗談のようだが、デーモンの王、ルシファーが地底深くより復活!
ルシファー率いる悪魔軍を迎え撃つは、大天使ミカエル率いる神の軍勢!
光と闇の戦いは苛烈をきわめ、その戦いが終わろうとする頃にはもう地球は人の住めぬ荒野となりて。
かくて人類は滅んだ。……かに見えた。
聖書に書かれてたことがマジに起こるとか、それこそ西から昇ったお日さまが東に沈むくらいのトンデモなさだった。
……むう、そう言うと些か大げさかもしれない。
皆、AIの暴走をそのように言っていたというだけだった。
でも確かに黙示録のように見えなくもなかったのだ。
おれたち六人は、通っていたドロブネノゴロ中学の地下シェルターに完備されていた人工冬眠装置のハイパースリープによって、地球が緑豊かに再生するまでの途方も無い長い年月を眠りでやり過ごしたというわけだった。
おれたちの居た22世紀の科学技術しゅごい!
**
無事に残ったハイパースリープのカプセルは全部で7台のみだった。
光と闇による激しい戦いの影響で、1200台あったはずのカプセルは、たった7台しか無事に残らなかった。
おれたちはカプセルから目覚めると、直ぐに自分たち以外にも1台だけ無事に残っていたカプセルに気が付いた。
そのカプセルで眠っていた人物は既に目覚めた後のようで空っぽになっていた。
成績が常に学年トップで、頭の良さ、知識の豊富さにおいて慕われ、テクノと呼ばれるそいつは眼鏡をきらりと光らせ言った。
「不可解です。
「いないとは?」
シキが尋ねた。
「我々も目覚めてからずいぶん経ちましたが、未だその人物が姿を見せないというのは……。おそらくは野獣の類かデーモンの生き残りの牙にかかって……」
「ふむ。通称デーモンか。暴走した有機AI兵だな」
そんな言葉にパンチロも反応する。
「デーモン? そういや森の奥の方でサマエルっちゅーけったいなん時々見かけるねんけど、特に害を及ぼすような感じとも思われへんで。『我は、魔将軍サマエルなりいいい。今後ともヨロシク……』とかっちゅーて百円ライターもろたしな。そのおかげで、俺ら火をおこせるようになったんやで」
おれたちの前に目覚めていた人物は、本当にサマエルとやらの牙にかかったのであろうか?
まあ、サマエルでなくともその可能性はある。
デーモンの生き残り以外にも、カンガルーっぽい二足歩行で歩く毒毒しい警戒色の大トカゲも見たことがあった。
そんなのが森の中の洞穴から出てきたのだ。
あんまり森深くまで入るのはヤベえ感じはする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます