第18話 7月17日水曜日【はるか】
雨が上がると本当に日差しが厳しいですね。
去年までは日焼け止めを塗るくらいで、それほど気にもしていなかったのですが、今年からは日傘を差すことにしました。
というのも今年の誕生日プレゼントとして、祖母が日傘を買ってくれたからです。
わたしの誕生日は6月で、プレゼントするなら雨傘という季節なのに、祖母はわざわざ日傘を選んできたのです。
理由は「もう年なんだから、日焼けしたらシミになる」という実に切実なものでした。
その日傘の柄がなかなか俊逸で、祖母がわたしにどんなイメージを持っているのかが分かるというか、なんとも可愛らしい柄なので、使うのには少しだけ勇気が必要でした。
色は薄い水色で、折り畳みなのでコンパクトなのは良いのですが、ピンクのリボンをしたテディベアが全体にプリントされているのですよ! かわいいけど恥ずかしい(笑)
さて、今回の日記を読んでとても安心しました。
断るつもりなんですね、良かったです。
わたしはディアファンさんの精神面のことばかりに気をとられていました。
確かに透明な人たちって大怪我しても救助を受けられませんよね。
そんなことに気付いていなかった自分に呆然としました。
少しは分かったつもりになっていましたが、ぜんぜん理解できてなかったことに驚いています。
このことは、すぐに千葉の友達に伝えました。
手紙ではもどかしいので電話をしたのです。
だって、もし見えない子供が校内で怪我をしても分からなかったら見逃してしまいます。
これは絶対に何らかの対処が必要ですね。
校内では制服を着用することになったらしいので、コケていたら助けることはできます。
でも怪我や病気ってどうすれば良いのでしょうか。
ちゃんと言ってくれれば対処もできるけれどと話したのですが、保健医って透明な体に対する知識とかあるんですかね……
奈穂美ちゃんもすごく心配になったらしくて、すぐに確認してみると言っていましたが。
そこで質問です。
透明な人たちも怪我をしたら血が出るんですか?
打ち身とかの場合は青痣になるのかしら?
透明な人たちを診療できる医療機関ってあるんですか?
もし無いなら、この施策を強行した人たちは何を考えているのでしょうね。
無責任すぎると思います。
ましてやこのケースの対象は子供ですから、絶対に何らかの手を打っておくべきです。
そういえばディアファンさんの言っていた通りみたいです。
奈穂美ちゃんが言うには「見えないけれど、かなりの人数の気配は感じる」のだそうです。
いわゆる授業参観状態のような。
もし大人の人たちがいるなら少しは安心できますが、どうなのかしら。
話は変わりますが、もうすぐ夏休みなのでぼちぼちと忙しくなってきました。
夏休みの宿題を作ったり、学校のプール当番を決めたりと、通常ではない仕事が増えます。
子供たちにはたくさん遊んで、いろいろな経験をしてほしいなあと思うので、できるだけ宿題とかは少なくしてあげたいのですが、ここにもいろいろ縛りがあって、思うようにはできません。
わたしはまだ四年目ですし、担任を持つのも初めてなので、諸先輩方のご意見を参考にしながら取り組んでいこうと思っています。
個人的には「昆虫採集は却下」にしたいのですが……まあ、無理ですよね。
この夏は千葉に遊びに行こうかと思っています。
今回の件で久しぶりに奈穂美ちゃんと話をして、会いたいねっていうことになったんです。
奈穂美ちゃんはどうやら里帰りは難しいらしいので、私が行こうかなって思っています。
そんな話を夕食の時にしたら、母と祖母が乗り気になってしまい、もしかしたら女三代での旅行になるかもしれません。
わたしが奈穂美ちゃんと会っている間は、歌舞伎座に行くって張り切っていました。
ディアファンさんって旅行とか行くのですか?
行こうと思えばどこにでも行けるのでしょうけれど、リスクも高いですよね。
なんだかつまらないことばかり書いてしまいましたね。
でもとにかく安心しましたよ。
また経過を教えてくださいね。
では、また。
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