第七話『暁光』

『命の光』のレベルが上がった。

いや、むしろ進化したと表現する方が正しいかもしれないくらいに鬼強化された。




『命の光』

I:生物解析、生物吸収、生物看破

II:特性吸収、特性発現、構造変化


スキルが6つ内蔵されてるのも十分やばいと思うけど、やばいのはここからだ。


【スキル】

鑑定Lv.5

家事Lv.7

算術Lv.8

体術Lv.Max

龍鱗Lv.1

応急処置Lv.4

危機感知Lv.9

精密射撃Lv.8

動体視力Lv.6

立体起動Lv.5

自己再生Lv.1

蜘蛛糸Lv.1

毒精製Lv.1

偽装Lv.1

隠密Lv.1

飛翔Lv.1

天駆Lv.1

五感強化Lv.1

特殊視覚Lv.1

発光Lv.1

水棲Lv.1

超音波Lv.1

影魔法Lv.1

闇魔法Lv.1

火魔法Lv.Max

火炎魔法Lv.1

回復魔法Lv.Max

闇耐性Lv.1

痛覚耐性Lv.8

恐怖耐性Lv.7




なんかめちゃくちゃスキルが増えた。

新しく解放された『特性発現』の影響だと思うんだけど倍ぐらい強くなってる気がする。

この『構造変化』ってなんだろう。

発動しようと意識したけど、体の部位と対象の因子を指定しないといけないみたいだ。


「発動-うわ!なんだこれ!」


右腕と闇龍を選択した瞬間、右腕が紫黒色の鱗に包まれ、ザ・ドラゴン!みたいな見た目に変化した。


「…!強いな、コレ」


もしかして全身を龍に変化とかできるのかな。

服が破れるから今はやらないけど。


そういえば洞窟から出る前、レイヴンからお金になりそうな物と新しい服をもらった。

服は目が覚めた時に来てた制服チックなやつをアレンジしたもの。元々ブレザーみたいなデザインだったんだけど上着が少しふわっと、オーバーサイズっぽくなってる。中に着る白いシャツは何故か背中の辺りの布が無くなって、バックが開いたデザインになった。スカートはそのままで中にインナーを着込んでいる。

あと日除けのためのローブも貰った。

お金になりそうだとか言って大量に宝石類も貰った。めっちゃ重たかったけど、今は新しく習得した『影魔法』で収納してる。


魔境を出ることが今の所の目標だけど、魔境を出た後にどうするかについても考えないといけない。当面は無くした記憶について探るつもりだ。いつまでも名前が⬛︎⬛︎⬛︎じゃ嫌だし。


あとは新しい体の試運転もしたい。

構造変化とか絶対面白い。


そんなことを考えつつ山の中を歩いていたら、危機感知に反応があった。


「わぁお…でっか…」


見つけたのはめちゃくちゃデカい熊




種族:ワイルドベアLv.75


【スキル】

爪撃Lv.Max

咬撃Lv.Max

威圧Lv.7

動体視力Lv.9

肉体強化Lv.Max

俊敏Lv.4

遠視Lv.4

斬撃耐性Lv.8

打撃耐性Lv.5




つんよ…物理特化型って匂いがぷんぷんする。

レベルも高いし、ここら辺はこいつの縄張りなのかもしれない。さっきからあからさまにこっちのこと威嚇してきてるし。

レベル差も開いてるし、どう倒すかな。




⬜︎⬜︎⬜︎




「ちょっとエレン!ちゃんと索敵してたんでしょうね!!」


「ずっとやってたさ!」


「ならなんで襲われるまであんな大きな零獣が見つけられないのよ!!」


「無駄口叩いてる暇があったら早く走れ!追いつかれるぞ!」


俺はB級冒険者のルーク。今、命の危機に瀕している。

A級魔境『黒龍山脈』で仲間のエレンとアリスと共に零獣の討伐任務を遂行していたのだが、道中で二級相当の巨大なワイルドベアに遭遇してしまった。

ここら辺には出没する可能性は低いと言われていたのだが…


「なんだ?おいルーク!デカブツが立ち止まったぞ!」


エレンにそう言われて振り返ったその時、俺は暴力の化身を見た。




⬛︎⬛︎⬛︎




熊に急接近して攻撃を仕掛けてみたら、近くに人間がいた。鑑定で見た感じそこまで強くはない様に見えるけど、なんでこんなとこにいるんだろう。


「危ないから下がってて!」


そう注意しつつ『構造変化』を発動して両手両足に装甲を纏う。毎日レイヴンと訓練したおかげで上達した体術を使って、熊に蹴りを入れる。


「硬っった!」


全然ダメージが通った感覚がない。

打撃耐性の影響か。


「じゃあ魔法で攻めるか」


「『シャドウランス』、『影纏』」


影の槍を放ちつつ体、特に四肢に影を纏わせて自分を強化する。


シャドウランスはちゃんとダメージを与えられたらしく、怒った熊が腕を振りかぶって爪撃を放ってくる。


「遅ぉい!」


動体視力強化と五感強化のおかげで熊の攻撃が少し遅く見える。龍の特性を反映させた今のわたしなら回避も余裕だ。


すぐさま天駆を発動して熊の頭上に回り込み…


「死ね」


影魔法と龍の肉体、あと体術スキルで使用できるアクティブスキルを発動して熊の首に向かって掌底を叩き込む!


「ふぅ、終わった終わったー」


熊は首が爆散して生き絶えた。初見の生物だったので『命の光』で因子を回収するのも忘れない。


「きみたち!大丈夫か〜い?」


人間との初邂逅だ。平和的接触は出来るかな?

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