第五話『因子』

「もう大丈夫?」


「…うん、ありがとう」


私の目の前には巨大な球状の空洞ができている。レイヴンが『インプロージョン』という魔法を使ったらしい。

あとわたしの思考を安定させてくれたらしく、今はあの気味の悪い声は聞こえない。


「何があったのかは聞かないよ。知ってるし。まさかムカデがあそこまでトラウマになってるとはね…」




⬛︎⬛︎⬛︎




「『鑑定』」




種族:レッサーニュートLv.6

名前:なし


【スキル】

暗視Lv.5

遊泳Lv.6

弱毒精製Lv.3




「こいつらにしようか。こいつらは近くにある地底湖を住処にしてて、肉が好きだから水辺に生肉を置いておけば結構いいレベル上げになると思うよ」


「こいつを殺せばいいんだよね?」


「そうそう。君はまだレベル1だから、そいつ一匹殺すだけでもレベルが上がると思う。『火魔法』をそいつに向けて打ってみて」


『火魔法』を意識すると、頭の中に発動できる魔法がいくつか浮かんでくる。


「『ファイアボール』!」


「っ!避けられた!なら!『ファイアアロー』!」


『ファイアボール』よりも弾速の早い『ファイアアロー』を、回避直後のレッサーニュートを狙って放つ。炎の矢はレッサーニュートに突き刺さり、その死体を灰に変える。


〈⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎のレベルが上昇〉

〈鑑定、火魔法のレベルが上昇〉

〈新たにスキル、『精密射撃』を獲得〉


〈レッサーニュートの因子(状態・劣)を取得可能です〉


「…因子?」


「どうしたの?何か変なことでもあった?」


「『鑑定』」




種族:亜人デミ・ヒューマンLv.3

名前:⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎


【異能】

命の光I


【スキル】

鑑定Lv.2

家事Lv.7

算術Lv.8

応急処置Lv.3

危機感知Lv.2

火魔法Lv.2

痛覚耐性Lv.3

恐怖耐性Lv.2


【称号】

忌み子

元奴隷




項目が増えてる。『鑑定』のレベルが上がったからかな。【異能】?ってなんだ、スキルとは違うのか。


「ふむ、『命の光』がアクティブ化できるみたいだね。そこのイモリの死体に右手を近づけてみて」


そう言われたのでイモリの死骸にそっと手を添える。


〈因子の回収に成功〉

〈IIがアクティブ化されていません〉

〈処理を保留します〉


…因子とやらは回収できたみたい。処理が途中で止められたみたいだけども。


『命の光』には何か変化があるのかな?『鑑定』っと。




【異能】

命の光I:生物解析、生物吸収

〈現在保有済み因子:人間、獣人、レッサーニュート(不完全)〉




おぉ、『命の光』を意識したら二重で鑑定が発動できた。

…もしかして『命の光』ってただの動物図鑑なのか?保有済み因子もさらに鑑定できるみたいだし。【異能】だなんて大仰な名前してそれだけなのか?


「現状把握は終わったかな?よし、狩りの続きといこう!」




★★★




⬛︎⬛︎⬛︎の異能、『命の光』は他のスキルとは違い、彼女の人生に訪れる6つの重要な出来事を経験する度にレベルが上がる仕様になっています。

おそらく『命の光』のレベルの仕様については触れないと思うので一応。


(ハートや星、いただけたらとても嬉しいです!ハートだけでもぽちっと押していってください)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る