第二話『鑑定』
「う、うぅ〜…頭痛い…」
おはようございます。今度は何があったのかバッチリ覚えてる。水晶が光って、滑って転んで…
あー…いろんなところをぶつけたのか、体中が痛い。具体的には頭とか、膝とか、肩とか…
「そうだ水晶!は、どうなって…」
「おはよう。やっと起きたね」
…誰?気がついたら目の前に褐色美少女がいた。水晶も無くなってるし。
あと明かりが付いている。ちょっと眩しい。
「あれ、もしかして覚えてないの?いっしょにいろんなことやったのに」
どういうことだ?私はこの少女とお友達だったのか。なんて羨ましいんだ、過去の私。
「あー…やっぱ覚えてない感じかー。どこから説明したもんかな」
なにを話してくれるんだろうか。この人、わたしのこと何か知ってたりしないかな?
知り合いみたいな雰囲気醸し出してるし。…いや、でもこんな所に突如として出てきたよく分からん人だぞ?怪しい気もしてきたな。
「…あ、ちょっと待ってね。めんどくさいヤツから念話が飛んできた」
へー、念話とな。そんな便利なものもあるとは。
美少女が誰かとお話している間にわたしが誰なのかについて考察しようと思う。
辺りが明るくなったことでわかったが、私は紺色の制服チックなものを着ていた。ところどころが破れていてなんかエロい。
わたしはどこかの学校の生徒だったのかもしれない。どうして洞窟の中にいたのかは謎だが…
うわ、膝から血が出てるー…岩肌にぶつけたらそりゃ怪我するよね。テンション下がるわー。
「お待たせ。話の続きをしようか。まずは私のことについて。私の名前はレイヴンと言う。種族は…闇龍だ。さっきまで水晶の中に封印されていた」
やはりこの少女はさっきのかっこいいドラゴンだったらしい。ドラゴンにも美少女にもなれるなんて羨ましすぎる。わたしもドラゴンになりたい。
「次は現在地について。ここはニンゲンが指定した魔境の一つ、『黒龍山脈』の中腹部にある洞窟の最奥だね。もしかしたら時間が経ちすぎて名前とか変わってるかもだけど」
…魔境?…魔境⁈
なんでそんなやばいところで寝てたんだ?
まず字面だけで危なそうだけど、魔境と言えばバケモノが湧いて出てくる超危険スポット。戦闘民族くらいしか出入りしたがらないその名の通りの魔境だ。
訳アリっぽいところだと思ってたけど、わたしも十分訳アリだった件について…
「最後に君のこと…だけど、これは私が話すよりも自分で確認した方が早いかもね」
「確認?」
「そ。自分の内側に意識を向けてから『鑑定』って唱えてみて」
なーるほど?「鑑定」。そんなものもあるのか。つくづくなんて便利な世界なんだ。
「よし…『鑑定』!」
そう唱えた瞬間私の頭の中に浮かんできた情報に、私は頭を抱えることとなった。
名前:⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
種族:
【スキル】
命の光I
鑑定Lv.1
家事Lv.7
算術Lv.8
応急処置Lv.3
危機感知Lv.2
火魔法Lv.1
回復魔法Lv.Max
痛覚耐性Lv.3
恐怖耐性Lv.2
【称号】
忌み子
元奴隷
★★★
話数調節の都合上序盤のお話が短めですが、ご了承ください!
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