第8話 召喚術を使ってみる
朝、いつも通りアヤとランニングをし、シャワーで汗を洗い流す。
その後、朝食を済ませ、歯を磨く。
アヤは友達の宿題を手伝いに行くらしい。
小柳の御家で妹組で集まり、今日1日で可能な限り宿題を終わらせるのだとか。
チサトとユミの女子二人も今日で可能な限り終わらせるらしい。
皆アナザーを気に入った様だ。
勿論タクは今日もソロ狩りである。
アヤは小柳家に泊まるらしく、帰って来るのは明日、アナザーのヘッドギアも持って行ったので仲良くプレイするのだろう。
アヤは僕の昼食と夕食を用意してくれていた。用意が良い。頭が上がらないね。
そんな訳で、今日1日まるまるログイン出来る……本当に、頭が上がらないねぇ。
◇
ログインしたが、レイーニャは既に居なかった、机の上にはプチアルルが7つ置いてあり、その下に書き置きが。
ルベリオン王国語で書かれたそれは、右下に肉球マークが付いている。しっかり修行しておく様にとの事だ。
レイーニャに釘を刺されたので、一通り魔力を動かす練習をした後、謎の壺に僕の魔力の半分程を込めておいた。
図書館には僕しか居ないものかと思ったが、そうでも無かったらしい。
? LV?
それは詳細は全く分からないものの、敵ではない様だ。
見た目こそ人型だが顔はのっぺりとしていて、関節がギシギシと音を立てている。
木製のそれは正に木偶人形そのものだ。
これが薄暗い図書館の中を徘徊している。
……ちょっと吃驚したのは内緒だ。どうやって動いてるんだろう?
ともあれ、問題がない様なので広間でスキルを使用してみる。
ユキ LV3 状態:
スキル
『錬金術LV1』『召喚術LV1』『解読LV10』『ルベリオン王国語LV5』『鑑定LV3』『地図LV1』『インベントリLV2』
先ずは召喚術からやってみようか。
『召喚術LV1』
・
魔物を召喚する。
召喚術を鑑定し、更に召喚を鑑定してみた所、全く分からなかった。
分からないならやるべきだろう。
「『
呪文を唱えると僕の体から魔力が3割程抜け出て、幾何学模様が描かれた円が現れた。
それはチカチカと明滅し、回転を始め、そしてーー
一際大きな光を放った。
「クゥーン」
「ほむ?」
光が収まった先にいたのは犬。と言うより狼だろうか?
ただし小さい、昨日襲って来た小さい方の犬より小さい。
召喚陣の残光でキラキラと光る銀の狼、可愛らしい目で此方をじっと見つめている。
ベビーウルフ・亜種 LV1
こう言う時どうするか、当然最初にするのは餌付けと躾だろう。
「おて」
「クゥン?」
まぁ時間はかかりそうだが。
◇
「おて」
「ウォン!」
「おかわり」
「ウォン!」
完璧だ。
あれから数十分後、ふとスキルの存在に思い至った僕は、それ系統のスキルを取得してみる事にした。
それで取ったスキルが、『指揮』『統率』『連携』『求心力』『ペット』『従魔術』の六つだ。
スキルは取得しないと鑑定が出来ない様なので、それっぽい物を選んで取得した。
おそらく鑑定のレベルを上げれば取得できる情報が増えるだろう。
ともあれスキルである。
『指揮LV1』
指揮能力が高くなる。
『統率LV1』
配下統率能力が高くなる。
『連携LV1』
連携能力が高くなる。
『求心力LV1』
求心力が高くなる。
『ペットLV1』
配下が言う事を聞きやすくなる。
『従魔術LV1』
・
これら六つのスキルを駆使して、ベビーウルフ改めウルルを手懐ける事に成功した。
……テイムで一発だったけどね。
召喚術が不遇と言われる理由を列挙してみると。
先ず召喚獣が弱い。そして召喚獣が言う事を聞かない。更に召喚獣はパーティーの1人にカウントされる、その為経験値分配の対象になる。
最後に、召喚獣は一度死亡、または送還すると同じ個体を召喚する事は出来ない。
以上の理由に加えて、不遇不遇と言われているのに取得に必要なポイントが多いのも不遇の原因の一つである。
現状出来る事は無いし、召喚術の検証についてはここまでにしておこう。
次はファンタジー色の強い錬金術。
一体どんな能力なのか楽しみだね。
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