第4話 嫉妬
//SE テレビの音
//SE ポテチを食べる音
「カレーおいしかったね! もうお腹いっぱいだよ」
「お菓子はデザートだから別腹なの」
//ソファから立ち上がりながら
「あっ! 今君『そんなに食べたらまた太るぞ』って言った⁉︎」
「それって今の私が太ってると思ってるってことだよね⁉︎」
「私太ってないしこれからも太らないもん!」
「いいや言ったね、今のは太ってるって言ったのと同じだよ!」
「私太ってないもん! ほら!」
//主人公の手をお腹に引っ張る
//お腹を触らせる
「ほら、太ってないでしょ?」
「なんなら君の方が太ってるんじゃないの?」
//主人公のお腹の肉を掴む
「ほら、私より肉あるじゃん」
「いやいや、この柔らかいのが筋肉は無理があるでしょ」
「私に太ってるって言うなら全身バキバキのムキムキにしてからにしてよね」
「私の好みの服装ってダボっとした系統の服だから着太りして見えるのは仕方がないと思うんだけどさ」
「私本当に太ってないからね?」
「君と一緒にいるときご飯とかデザートとか我慢せずお腹いっぱいになるまで食べてるけど」
「君と一緒に過ごしてる幸せを噛み締めるのにカロリー使うから、ご飯もデザートも実質ゼロキロカロリーなんだよ」
「だから太るわけがないんだよ!」
「もちろんこのポテチもゼロキロカロリーだしね♪」
//SE ポテチを食べる音
//ポテチを食べながら
「暴論じゃないもん。正当防衛だもん」
//SE テレビのチャンネルを変える音
「あっ、このバラエティ番組好きなやつだ」
「演者がロケの映像見てあれこれ言ってるのが面白くて好きなんだよね」
「君はあんまりテレビは見ないんだっけ? 面白くてストレス発散になるから見た方がいいよ
//犬が歩いてきて主人公の膝の上に乗る
『ワン!』
「あっ、ちょっとプチ⁉︎ そこ私の場所なんだけど!」
//彼女がプチをどかそうとする
『ガルルルル』
「ちょっ、ちょっと何よ。毎日優しくお世話してあげてる飼い主よりもたまに来る見知らぬ男の人が好きなわけ⁉︎」
『ワフッ』
//主人公の膝の上で座る
「あぁ! 今勝ち誇った顔した! 絶対勝ち誇って飼い主を見下す顔したぁ!」
「そ、そっちがその気ならこっちにだって考えがあるんだから」
//SE 彼女がキッチンに移動する足音
//SE 物を漁る音
//SE彼女がキッチンから戻ってくる足音
「これを見よ!」
『ハッ⁉︎ ワッフゥ!』
「ふっふふー。これはね、犬用のおやつ兼歯磨きなのだよ」
「犬が噛むことで歯の表面が掃除できるようになってて、たくさん噛んでも中々なくならないのです」
「人間様の本気、舐めないでよね!」
//彼女が主人公の膝の上に乗る
「ふっふふー。やっぱりここは私の特等席だね」
//彼女が主人公の膝の上に乗りながら振り返って話す
「べ、別に容赦なくないもん! 私はただ私以外の人が君の膝の上に乗るのが嫌なだけで……」
「いや犬だけどね⁉︎ 犬だけど嫉妬しちゃうものは嫉妬しちゃうの!」
//SE ポテチの袋に手を入れる音
「あ、もう次が最後の一枚だ」
「最後の一枚は君が食べていいよ」
「お仕事でお疲れだろうし、これくらいは譲ってあげないとね」
「大丈夫大丈夫! もう十分食べさせてもらったから」
「つ、強がってないよ? この一枚にもカロリーはしっかりあって、この一枚を食べないことによって太らない分もあるだろうし……」
//主人公が先程の発言との矛盾を指摘
「0.0001キロカロリーくらいはあるかもしれないでしょ⁉︎」
「す、好きだけど、好きだけど本当に大丈夫だから! 君が食べて!」
「えっ⁉︎ 蚊⁉︎」
//主人公が彼女の口の中に無理矢理ポテチを入れる
「むぐぅ⁉︎」
//SE ポテチを咀嚼し飲み込む音
「なっ、なんで無理矢理たべさせたの⁉︎ 君が食べれなくなっちゃったじゃん!」
「というか蚊ってどこにいるの⁉︎」
「え、私に口を開けさせるための嘘⁉︎」
「いつからそんな策士になったんだ君はぁ!」
//わざとらしく
「そんな策士な人とはもう一緒にいられないよ……」
「じょ、冗談に決まってるでしょ⁉︎」
「何間に受けて『じゃあ別れるか?』とか言っちゃってるの⁉︎」
「……私のこと嫌いになっちゃった?」
「……そっか。確かに嫌いな人に最後のポテチはあげないよね」
「プチがエサ貰うの待ってる時の顔と同じ顔してたって、私そんなにほしそうな顔してた……?」
「ああー食い意地の張ってる女だと思われたー」
「いや大丈夫じゃないよ! むしろ前からそう思われてたってことに驚きを隠せないんですけど⁉︎」
「……まあ私いつも君よりご飯いっぱい食べてるもんね」
「き、君が美味しそうに食べてる時の顔が好きって言ってくれるなら、まあこれからも気にせずいっぱい食べることにする」
「もう最後のポテチ絶対あげないもんね」
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